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有元美津世のGet Global!

テレワーク(3)永遠に続けたい?2020.06.30


 カリフォルニアで経済再開が始まる前に、シリコンバレーを拠点とするツイッターとSquare(同じCEO)が、恒久的に社員にテレワークを許可すると発表して世界的に話題になりました。


 「私も永遠にテレワークしたい!」という人もいるかもしれませんが、皆が皆、テレワークを好むというわけではないようです。


 前回、紹介した「回答者の49%がテレワークで生産性が下がった」というアメリカのアンケート調査では、回答者の67%が在宅勤務では「ワークライフバランスが取りにくい」と回答しました。また、回答者の36%が在宅勤務が始まってから「労働時間が増えた」とも回答しています。

職場に戻りたい人も


 アメリカで行われたアンケート調査(大企業・中企業の中間管理職・上級管理職対象)に、コロナ禍以前から在宅勤務をしていた人(20%が常時、在宅勤務、14%が時々、在宅勤務)と、そうでない人との違いを見たものがあります。米メディアで取り上げられているテレワークに関する調査には、コロナ禍以前のものも結構あるのですが、そうした調査は、あまり参考にならないと思っています。IT企業などテレワークが進んでいた業界、テレワークに慣れていた人と、今回、急遽、テレワークを強いられた業界、初めて経験した人では、反応が違う可能性が高いからです。


 この調査では、今回、新たに在宅勤務を始めた人(回答者の66%)の間では、41%が「職場に戻りたい」、39%が「ときどき在宅勤務をしたい」で、「常時、在宅勤務をしたい」という人は20%のみでした。テレワーク希望者が、週に何度かテレワークをできれば、大半の人が満足できるのかもしれません


 今回、初めて在宅勤務をしたという人が、在宅勤務がむずかしいと感じた点は、「気が散る」が63%で最も多く、「ワークライフバランスを取るのがむずかしい」(36%)、「コラボレーションやコミュニケーションがむずかしい」(31%)が、これに続きました。


(pipefy.comのデータより作成)

在宅では仕事に集中できない?


 気が散る原因は、下記の通りで、「家族や子供」が最多でした。(子供以外の家族が、子供と同じくらい邪魔になるということですね。)

(pipefy.comのデータより作成)


 調査によっては「気が散る一番の要因はソーシャルメディア」というものもあるので、調査対象者の年齢や家族の有無などによって結果は違うかもしれません。(上記の調査は、中間・上級管理職対象。)

 なお、「ワークライフバランスに満足している」という人は、ベテランでは50%であったのに対し、初心者では15%のみ、在宅勤務で「燃え尽きている(バーンアウトしている)」という人も、ベテランの8%に対し、初心者では32%でした。


 そうしたことから、「生産性が落ちた」という人は、ベテランで45%であったのに対し、初心者では52%という結果でした。(ベテランでも、結構、多いが。)


 アメリカではテレワークが長引くに連れ、テレワークに関するマイナス面が取り上げられるようになっているのですが、テレワークに慣れていない人が慣れるにつれ、満足感が増すのか、それとも長引くほど孤独感にさいなまれる人が増えるのか、今後、見守りたいと思います。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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