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有元美津世のGet Global!

相変わらず日本語オンリーで内弁慶(2)2020.03.03


 世界各国に拡大するコロナウイルス(COVID-19)の感染。「日本では騒ぎすぎ」とか言っている有名人がいますが、確かに騒ぎすぎだと思います。しかし、それは日本に限ったことではありません。(その人は海外に滞在中も、日本語のニュースしか読んでいないのかも)。


前回、書いたように、アメリカでも過剰反応が起こっていますし、先月、ウクライナでは、地元住民が武漢からの帰国者のバスに石を投げつけて、町に入るのを阻止したり、今週も、1月にオーストラリアを出港し、アジアに寄港後、インド洋のレユニオン島に寄港したクルーズ船に対して住民らが投石して抗議するなどの暴力行為すら起こっています。


 私はコロナ騒動が始まってから、東南アジア4カ国に滞在し、かつネットで各国のニュースを読みながら、数カ国のニュース番組を見ていますが、どの国も騒ぎすぎです。
 今回の騒動で、どこの国も観光業界は大きな痛手を受けていますが、日本のメディアは「アジア最大の打撃を受けるのは日本」と煽ったり、現地に行ったわけでもないライターが「タイの観光地は欧米人で賑わっているけど、中国人頼みの日本はダメ」みたいなことを書いたり。そもそもパタヤに関しては「観光客がいないのでテーマパークが休業」「閉店や売店舗の看板が増えている」というニュースは流れていますが、「欧米からの観光客で賑わっている」という情報は英語では見つけられませんでした。このライターは、日本語のろくでもない情報源を根拠に書いたのでしょうか。もはやフェイクニュース...

ベトナムでは


 先月頭、私がベトナムの第三の都市、ダナンに滞在中に、ベトナム政府は中国便の発着を禁止し、対中国人ビザの発行を停止しました。そこで、ある日突然、中国人観光客が街から一斉に消えました。それまで、あちこちで聞こえていた北京語が聞こえなくなり、観光スポットで聞こえてくるのはベトナム語と韓国語のみになり...


 ベトナムでも、中国からの観光客が一番多いのですが、今年1月には韓国からの訪問者が中国を抜きました(両国の人口比を考えると韓国の数はすごい)。とくにダナンは韓国人在住者も多く、韓国語の看板も目立ちます。


 そこで、私が泊まっていたマンションのオーナーに「中国人観光客がいなくなっても韓国人がいるから、お宅のビジネスには、あまり影響ないよね?」と言うと、「いや、韓国からもキャンセルが相次いでいて… 皆、恐怖で旅行を取りやめてる」と。そのオーナー家族は、同じビルに7軒の物件を持ち、旅行代理店も経営しています。「うちにとっては最悪の事態だけど、今が踏ん張りどき...」と言っていましたが、先週から韓国人の入国も規制されるようになったので、心配です。(来年も泊まりたいから...)


 近年の観光ブームで、ダナンやニャチャンではホテルの建設ラッシュが続いていますが、観光業の浮き沈みを経験したことのないベトナム、大丈夫か、と常々思っていたところ...

マスク着用と学校休校


 誰もがバイクに乗るベトナムでは、日頃から排気ガス用マスクをほぼ全員がしていますが、2月に入り、彼もサージカルマスクを着用するようになりました。(でも、皆、食事の前などに手を洗わない!)
 同時に、欧米人観光客もマスクをする人が増えました。日本では”マスクハラスメント”が報じられていますが(地下鉄内で非常通報ボタンが押された件は海外でもニュースに)、エレベーターや市バスでは咳ばらいをするとロシア人の子供が手で口をふさぐなど、ダナンでも、やはり咳をしにくい雰囲気でした。


 なお、ベトナムでは、先月旧正月(Tet)が終わった後も、そのまま公立学校は休校が続いており、首都ホーチミンでは3月いっぱい休校の予定ですが、「4月まで延長しよう」という声も。(三世代で同居する家族が多いベトナムでは、普段から昼ご飯を家に帰って食べる児童も多いので、長期間、休校になっても困らないのか、フェイスブックに政府批判を投稿しただけで投獄される国なので、文句があっても言えないのか?)

日本人もRacial Profilingに


 ベトナムは、この週末から、韓国からの入国者はベトナム人を含め全員、14日間の隔離を義務付けました。アシアナ航空機が仁川を離陸後、ベトナム政府よりハノイへの着陸を拒否され、別の空港に着陸するように言われたのですが、慣れない空港への着陸を懸念した同機は、そのまま仁川に引き返すといった事態も起きています。


 さらに、対韓国人ビザ免除も停止となり、韓国人に対する警戒が強まる中、ベトナムにいる日本人にも影響が出ています。実は、日本の友人が(私が毎年滞在する)ニャチャンに滞在中なのですが、市バスに乗車を拒否されたり、食堂で腰をかけるとベトナム人顧客が別の席に移動したり、店に買い物に行くと店主がとっさにマスクをかけたり、などといったracial profilingに遭遇しています。*

 (配車アプリの)Grabに乗ると、やはり運転手がマスクをかけたり、「どこの国から来たの?」と聞かれるそうです。(韓国人や中国人なら乗車拒否するのか?)ちなみに、クアラルンプールでは、Grabの運転手は、乗客がどこから来たかにかかわらず、皆マスクをしていました。


 なお、私は、ダナンでは、少なくとも2月前半に、そうした扱いは受けませんでした。

  

 

* Racial Profilingとは、証拠でなく人種を基に嫌疑をかけられること。元々は、アメリカの警察の有色人種に対する差別行為に対して使われていた。

ニャチャンは、他の都市と違い、観光客のほとんどが中国人とロシア人。毎年、訪れる度に、店が次々に中国人向け土産屋に変わっていた。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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