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有元美津世のGet Global!

UAEの英語2019.02.19


 今年、アジア杯が開催されたUAE(アラブ首長連邦)は、7つの首長国から成る連邦国家です。

 カタールと同様に外国人労働者が多く、人口1000万人近くのうち、Emiratiと呼ばれる自国民は12%のみで、外国人労働者の大半が、インド、パキスタン、バングラデッシュなど南インド系です。なお、UAEは、純移動率(他国からの移入民と移出民の差)が、世界で三番目に高い国でもあります。

 UAEの公用語はアラビア語ですが、カタールと同様、1971年に独立するまでイギリスの保護下にあったこともあり、英語も広く話されています。私も、ヨルダンやオマーンでは英語が通じずに困った後、ドバイの空港に着くとフィリピン人がたくさん働いていて、普通に英語が通じるのでホッとしたのを覚えています。

 UAEでは、元イギリス保護領だからといって、イギリス英語が標準英語というわけでもありません。外国人労働者が多いため、アラブ英語、インド英語、イギリス英語、アメリカ英語的なフィリピン英語など、多様な英語が話されています。

  移民の国、アメリカは、多数の国の出身者がいるとはいうものの、基本的にアメリカ英語が求められます。イギリスやオーストラリア出身者も大半が、(口を開ける度に「どこの出身?」と聞かれるのが面倒というのもあり)数年の間に、アメリカ英語・発音に切り替えます。

   National Geographic でUltimate Airport Dubai(『密着!ドバイ国際空港』)というドキュメンタリー番組があったのですが、そこでは、ドバイの空港で働くEmirati、インド人、イギリス人、オーストラリア人、イタリア人など各国出身者が、問題を解決し、プロジェクトを完遂するために協働する姿が描かれます。目的遂行のための言語は英語ですが、大事なのは相手に通じる英語であり、それぞれがそれぞれの訛り・英語で話しています。グローバル化した世界で幅を利かせているのは、こうした英語なのです。

余談 ― 忘れ物が見つかる国


 私は、3年前、UAEの首都・アブダビで、観光局のデスク(ショッピングモールの中のカウンター)にスマホを忘れたことがあります。インド料理屋に入ってから気が付き、「忘れ物したんで取りに行ってくる」と言うと、インド人オーナーに「この国では、落とし物は出てくるから心配しなくて大丈夫」と言われました。

 そこで、食事を終えてから観光局のデスクに戻ると、やはり「この国では、忘れ物は必ず出てきます」と言われ、私がクルーズ船の乗客だと察知し、すでに船に届けるよう手配したとのこと! 港に着き、スマホの件を知っている人を見つけるまでは一苦労だったのですが、すでに船内に届けられていることがわかり、乗船しました。

 乗船セキュリティチェックの乗務員がスマホを持っていて、「あなたのスマホであることを確認したいので、スマホの中の自分の写真を見せてください」と言われたのですが、私は自分の写真は撮らないので、探してもなかなか出てこず…  するとインド人乗務員が「僕と一緒だね、もういいよ」と言って、スマホを渡してくれました。

 アメリカでは、(30年落ちの古いSサイズのコートでも)忘れ物が出てきたためしがないので、「今でも、忘れ物が見つかる国もあるのだな」と感動しました。(後日紹介しますが、実は、フィリピンでも感動の体験が。)

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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