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有元美津世のGet Global!

アジアは広い2019.01.22


 今月、4年に一度のアジア杯(AFC Asian Cup)がアラブ首長国連邦(UAE)で開幕しました。スタジアムの広告は7~8割が日本企業によるもので、それも日本語で広告を出している企業があり、日本人をターゲットにしているようですが、そんなに日本人が観戦しているのか...

中東を含め”Bringing Asia Together”


 アジア杯のスローガンは”Bringing Asia Together” (アジアをひとつに)。今回から、出場枠が16ヵ国から24か国に増え、そのうち半数が中東の国です。「中東もアジアなの?」と思う人もいるかもしれませんが、私も昔、在米イラン人に「僕たちもアジア人だよ。近東(Near East)」と言われたことがあります。
 そもそも、極東(Far East)や中東(Middle East)といった概念は、ヨーロッパ(オスマン帝国?)の視点によるもの。なお、”Near East”という表現は、英語でも死語になっています。

中央アジアから3ヵ国


 アジア杯での日本の初戦相手はトルクメニスタン(Turkmenistan)でしたが、「そんな国、聞いたこともない」と思った人も多いのではないでしょうか。名前からして中央アジアの国というのはわかるのですが、調べてみると、アフガニスタンの北西、ウズベキスタンの南西に位置し、西はカスピ海に接する砂漠の国。人口500万人の8割以上がトルクメン人、9割近くがイスラム教徒。

 一党支配の独裁国家で、厳しい言語統制の下、報道の自由はなく、”中央アジアの北朝鮮”との異名も。豊富な天然ガスで急速な経済発展を遂げてきたのですが、ガス価格の下落により、旧ソ連から独立以来の初の経済危機に陥り、国民の生活は困窮中…

 日本とグループ首位を争ったウズベキスタンの人口は3000万人で、中央アジアでは最多です。やはり旧ソ連からの独立後、独裁的政治が続いた後、新たな大統領の下、”開国”政策が始まり、自由化に対する期待が高まっています。観光促進のために、昨年から30日以内の滞在は日本人はビザが免除になりました。中央アジア共通の「シルクビザ」の導入も検討されています。

 そして、グループ3位ながら決勝Tに進んだキリギス。私はアジア杯をベトナムで観戦しているのですが、TVの画面では”Kyrgyz Republic”と紹介されます(ベトナム語でも”Kyrgyz”)。英語では通常、Kyrgyzstanなので、「KyrgyzとKyrgyzstanって、どう違うの?」と思って調べてみると、今も通称として使われている「キリギスタン」は旧国名で、正式な国名が「キリギス共和国」とのこと。

 ついでに、風景の写真も見ると、きれいです。国土の8割が山岳地帯で、「中央アジアのスイス」と呼ばれることも。私も、二年後くらいに訪れてみようと思います。こうした世界的に無名の小国にとっては、アジア杯でも世界に名を知らしめるチャンスとなります。

期待される経済発展

 
「日本とは縁のない国々」と思う人もいるかもしれませんが、中央アジアは、中国の一帯一路構想にとって重要な要衝です。中国による投資、中国企業の進出が進む中、ロシアや欧米、そしてカザフスタンの石油が必要なインドは、中国をけん制しています。同時に、対外債務が膨れ上がっている中央アジア各国は、中国への依存度を下げるために、日本からの投資も歓迎しているようです。今後、経済が発展し、シルクビザ導入も進めば、サッカー以外でも中央アジアに触れる機会が増えることでしょう。
 スポーツである必要はありません。何でもかまわないのです。自分の興味のあることを通じて、他国、世界情勢に目を向けるきっかけとなれば。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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