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有元美津世のGet Global!

ネパールの多様性2018.06.05


  インドの多様性について書いている間に、ネパールの多様性について書いていないことに気づきました。

  ネパールも、120以上の民族から成る多民族多言語国家です。民族は言語的に大きく分けると、ヒンディー教徒の多いインドアーリア語系、モンゴロイド系で仏教徒の多いチベット・ビルマ語系、主に山岳部に住む土着系に分かれます。*

 公用語のネパール語はインドアーリア系言語で、ヒンディー語と同様にデーヴァナーガリー文字が使われます。政治やビジネスの世界、エリートの間では英語も広く使われています。

 宗教的には、国民の80%以上がヒンディー教徒で、10%が仏教徒、残りがイスラム教徒や土着宗教信仰などです。

インドより複雑なカースト制度


 何世紀も前にインドから移住したヒンディー系民族とともに、ネパールに導入されたといわれるカースト制度。元々カースト制度を持たない民族も組み込み、何層もある階級は複雑過ぎてよそ者にはよくわからないのですが、地元の人は苗字を見ただけで所属カーストや部族がわかるようです。

 カーストに基づく差別は60年代に違法となりましたが、日々の暮らしの中でカーストは今も根強く残っています。ネパールで出会った人たちは「僕はチェトリ(Chhetris)」「僕はネワール(Newar)。生粋のネパール人はネワールだけ**」と聞いてもいないのに自分の所属カーストを教えてくれたり、「ネパールには4つのカーストがあってね...」と説明してくれる人もいました。

  ネパールでは上級カーストが政治や経済を牛耳っていると言われますが、カースト2位のチェトリでも、中卒の貧困層でポーターをしている人もいて、上級カーストが皆、エリートというわけではないようです。

多様な料理

 食事も、多くのネパール人が「一日三食、毎日、食べても飽きない」というダルバート***などのネパール料理以外に、インドに劣らずおいしいインド料理(ネパール人経営、インド人経営両方あり)、中華の影響を受けたチベット料理があり、多様です。チベット料理は麺もあれば餃子系もあり、山岳部ではGurung(グルン族)Breadという手作りパンが実においしかったです。

 私はインド料理が大好きなのですが、インドで3週間、毎日食べ続けたときには、さすがに飽きました。ネパールの場合、インド料理の他にチベット料理も食べられるので、食事的にはネパールの方が気に入っています。さらに、ネパールのチャイは水牛のミルクを使うためか、インドのチャイよりおいしいです。

 日本にあるネパール料理店は、インド系料理しか出さないところが多く、その多様さが伝わっていないのが残念です。


 

* 平たく言うと、見た目的には「インド人とどこが違うの?」という人、「(ヒマラヤ系)東アジア人だよね」という人、「インド系と東アジア系が混ざってるよね」という人、民族衣装から「土着の人だよね」という人がいるという感じ。

** ネワールはカトマンズ地域の先住民。ネパールのカースト制度とは別にネワール社会で独自のカースト制度もあり。

*** 白米とダル、野菜や肉魚のおかずから成る。ダルバート(豆スープ)とは、ダル(豆)+バート(米)。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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