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インドの多様性(2)― 多民族国家2018.03.27


 私たち、南アジア外の人間には、インド人もパキスタン人もバングラデッシュ人も同じように見えて、違いがわからないですね。元々、一つの国だったのが宗教の違いなどで分裂してしまったわけですが。

 それも、インドだけでも、何百もの民族が存在します。前回、多岐にわたるインドの言語について書きましたが、言語の数だけ民族がいると言えるでしょう。

 インドの民族は言語系で分けると、北部に多いインド・アーリア系と南部に多いドラビィダ系の2つに大別できます。インド・アーリア系言語を話すのが人口の約75%、ドラビィダ系言語を話すのが約20%と言われています。  

 インド・アーリア系であるヒンディー語を話すのは全人口の54%で、次に多いのが同系のベンガル語(9%)、そしてドラビィダ系テルグ語(8%)、インド・アーリア系マラティ語(8%)、ドラビィダ系タミル語(7%)と続きます。

 ただし、ベンガル語はバングラデッシュの公用語でもあり、タミル人はインドだけでなく、スリランカやマレーシアにも居住しており、民族や言語は国をまたがっています。

ポルトガル系やモンゴロイド系も


 アメリカで、何人かポルトガル系の姓を持つインド人に出会ったことがあるのですが、これは16世紀にポルトガルの植民地となった地域があるからなのです。ゴアを中心とした南西部では、イギリスから独立後もポルトガルは領地の明け渡しを拒否。1960年に入ってから、インド軍が侵攻してポルトガル軍を征し、やっとインドに統合されたという経緯があります。今でもポルトガル語を話す人たちが、少数ながらいます。なお、インドには、デンマークやフランスの植民地であった地域もあります。

 インドでは、南部でも北部でも、ちょっと大都市を離れると、東アジア系が珍しいらしく、ジロジロ見られるだけでなく、しょっちゅう「一緒に写真を撮ってほしい」と頼まれました。

中高生の集団に出会った日には、生徒全員と写真撮影や握手をせがまれる羽目に… *

 インドは中国・チベットやミャンマーと国境を接しているのに「東アジア人を見たことがないのか?!」とビックリしました。インド北東部では、200以上ものチベット系部族が暮らしており、チベット系言語が話されています。

 ベトナムを旅行中にベトナム系アメリカ人と知り合ったのですが、一人だけ顔つきがベトナム系でなく「ネパール系か?」と思っていたら、チベット系インド人で、今も家族はインドに住んでいるとのことでした。

民族間対立


 こうした多民族を抱え、「インドの縮図」ともいえるのが、アッサム紅茶で有名なアッサム州。北東部ヒマラヤ山脈の麓に位置し、200以上もの部族が住んでいるといいます。(インド・アーリア系)アッサム語と(チベット系)ボド語が州の公用語ですが、ベンガル語が公用語の地域もあります。インド北部では主にカーストで選挙の投票先が決まるのですが、アッサムでは民族によって決まると言われています。

 アッサムでは、イギリスからの独立後、先住民系とベンガル系とが対立し、アッサム独立運動を含み、何度も紛争が起こっています。近年も、何度か暴動が起き、何十万人という人が土地を追われ、死者も出ていますが、インド国外ではあまり報道されないため、知られていません。

 

* インドネシアでは、白人が同じ目に遭う。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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