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有元美津世のGet Global!

和製英語に気をつけよう(29)─ プレミアムフライデー2017.04.11


久々の和製英語シリーズです。

日本では2月から「プレミアムフライデー」が始まりましたが、これは造語というかキャンペーンの名前ですので、日本語でも何のことか説明しないとわからないように、英語でも説明しないと通じません。


こうした造語が英語でどのように表現されているかを見るには、英語圏のメディアをチェックしてみるのが一番です。多くのメディアで”Premium Friday” campaignと表現されています。

 
米ウォールストリートジャーナル紙では

Japan <中略> launched a campaign dubbed “Premium Friday,” in which the government is urging companies to let employees leave at 3:00 pm on the last Friday of every month.(日本は「プレミアムフライデー」というキャンペーンを開始した。これは毎月月末金曜に社員を3時に退社させるよう政府が企業に促すもの。)

米ロイター通信では

The government launched its Premium Friday campaign, encouraging firms to let workers out of a few hours early on the last Friday of the month so they spend money on shopping and leisure to help boost the economy.

([日本]政府は「プレミアムフライデー」キャンペーンを開始し、毎月月末金曜には社員を数時間早く退社させるよう企業に促している。景気刺激対策として買物やレジャーへの消費を増やすのが狙いだ。)

英ガーディアン紙では、scheme(スキーム、計画,仕組み)を使い、

Optional scheme allows employees clock off early.”

(任意のスキームで、社員が早く退社できるようにしている。)

The government is asking companies to allow their workers to leave at 3 pm on the last Friday of the month.

(政府は、毎月月末金曜に社員が3時に退社できるにするよう企業に働きかけている。)

プレミアム


ところで、この「プレミアム」。日本語では「プレミアム会員」のように「上級、高級」という意味で使われています。Premium Membership、飛行機のPremium Classのように、英語でも形容詞では同じ意味で使われますが、Premium Fridayのように曜日に対して高級というのは意味を成さないですね。英語では、Special Friday, Super Friday, Fun Fridayなどの方がよさそうです。

英語のpremium(名詞)は「付加価値などに対する割増料金」という意味でも使われます。

 Many people are willing to pay a premium for organic food.

(オーガニック食品に対し通常より高い料金を払ってもいいという人は多い。)

 

日本語でも、本来、そうした意味だったようですが、その意味では「プレミア付き」のように主に「プレミア」が使われていますね。これは完全に和製英語です。

 「この珍しいCDはプレミア付きだ」を英語で言うと、

You have to pay a premium for this rare CD. またはThis rare CD commands a premium.

 

なお、英語のpremiumがもっとも一般的に使われるのは「保険料」という意味で、下記のように使われます。

Insurance premiums went up again this year. (保険料が、今年また値上がりした。)

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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