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鈴木美加子のグローバル人材塾

日本企業と外資系企業 7つの違い - 向いているのはどっち?2023.05.25

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。今回のテーマは、日本企業と外資系企業の違いです。

 

1. 成果主義かどうか

 

日本企業には年功序列のシステムがいまだに色濃く残り、純粋な個人の業績より途中のプロセスやチームへの貢献度が重視される傾向にあります。

それに対して外資系は成果主義です。どれくらい努力したか長時間残業をしたかなど、途中経過は評価されません。個人の業績に基づいて昇進や昇給が決まり、年齢・性別・国籍・LGBTQなどは無関係です。

 

2. 雇用形態

 

日本企業はメンバーシップ型雇用です。新卒として一括採用され、会社が配置を決めます。終身雇用が前提で、企業が必要な研修を全員に対して階層別に行うのがスタンダードです。個人より組織の利益が優先されるので、個人の意思に関係なく社内異動が起こります。

外資系企業はジョブ型雇用です。最初にポジションありきで、そのポジションに最適な人材を採用するシステムです。スペックが少し違う優秀な人材が候補者として現れた場合、その人のために無理にポジションを作り出す事はあまりありません。

外資系ではポジションごとに明確な職務記述書が存在します。個人の責任範囲がはっきりしていて、年初に目標設定がきちんと行われるため、年末に各社員の評価が客観的に行いやすい仕組みです。

マネジメントサイドから見ると、個人がそれぞれの職務範囲に固執しすぎると、誰にも属さない仕事が抜け落ちてしまうリスクがあるので、リーダーシップを発揮して抜け漏れが起こらないようにする必要があります。

 

3. 個人主義 vs 集団主義

 

日本企業は欧米と比較すれば集団主義といえます。所属する集団(会社)の利益を個人の利益より優先させます。コミュニケーションではハイコンテクスト、つまり文脈から推察する、空気を読む行為が行われています。属している集団に暗黙の了解があり、それを察知しながら行動しています。

外資系企業は個人主義で成り立っています。オンとオフを切り替えたい社員が多く、就業時間を過ぎてから部署全体で飲みに行くような事は、大きな節目など限られた機会です。もちろん、就業時間以外は個人の時間と考えられているので、会社のイベントには参加しないと公言する人も容認されます。

自分の職務範囲を明確にすることに慣れているため、事情があって手伝ってもらいたい場合は、どのように巻き込んで手を貸してもらうのかに工夫が必要です。

 

4. 育成される人材のタイプ

 

日本企業はジェネラリストを育てる傾向にあります。社内移動によりIT →法務部→経理部のように外部から見ると脈絡がない異動も起こりえます。本人にとってのマイナスは、専門性が培われないので社外に転職することになったとき、圧倒的に不利な点です。

外資系企業はスペシャリストを採用しますし、さらに専門性を磨くことを推奨されます。専門性がある人材に育つことは、社外転職で有利になるので社員にとっても良い環境です。

 

5. スピード/変化

 

日本企業は業界にもよりますが、決断に際し慎重なので大企業ほど早く変化する事が難しいです。変革のスピードがめざましい現代において、パイオニアになれない原因です。

外資系企業は、スピーディーに変化しながら前進しようとします。行動する前に慎重に考える人材より、走りながら考え必要な修正を行える人材を高く評価します。スピードは自分の強みでしょうか? もし答えがNOならば、転職する際に業界をよく選びたいです。製薬・医療機器・エネルギー・インフラ産業であれば、他の外資系企業と比較するとスピードは緩やかです。

 

6. 誰が最終決定権を持つか

 

日本企業は、当然ながら本社が日本にあります。つまり最終決定権は日本にあります。商品開発や研究開発など、ゼロから1を生み出す仕事をしている人材は、本社に在籍していた方がやりたいことができます。

例えば外資系の日本法人でマーケティング・リサーチをしている場合、日本市場に最適な商品のスペックが分かっても、本社に提案して全世界で他に売れる市場がないと思われたら、商品化の夢はかないません。最終決定権が海外の本社にあるので、各部署それぞれに本社にお伺いを立てることがあり、思い通りにならないことは起こりえます。最終決定権が日本法人にないことをよく理解して、外資へ転職してください。

 

7. 雇用の安定

 

日本企業の終身雇用は崩れつつありますが、景気次第でドラスティックな解雇が起こらないのが現状です。

外資系企業の場合は、雇用が保障されているとは言いがたいです。業種によってはハイリスク・ハイリターンであり、個人の業績や会社の業績、M&Aなどを理由に辞めることになる可能性はゼロではありません。

とは言え、外資のメーカーは極端なことをしないことが多いですし、自身にスキル・経験値があれば次の就職先は見つかりますので、解雇のリスクを不安に思い外資系を最初から避けるのは残念な決断です。個人のパフォーマンス次第で出世と昇給をかなえることができるというフェアな点は、大きなメリットだからです。

今回は、外資系と日本企業の違いについて説明しました。日系・外資系、どちらの方が自分に合っているか客観的に振り返ってみてください。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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