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役職が高い英語人とミーティングする時に気をつけたいこと

元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日は、役職が高い英語人とミーティングする時に気をつけたいことを取り上げます。

1. 想定問答を用意する
先日、ある外資の本社で部門長をされている方とオンライン・ミーティングをしました。評判の良い方で話しやすい人と想像できましたが、役職からすると切れ者が出てくるはずです。ぼーっと参加するのは危険かなと「何を聞かれるか」と「どう答えるか」をよく考えて臨みました。
現れた方は温和でとても良い方でしたが、挨拶のあとすぐ ”Today, I have three topics I would like to cover.”(このミーティングで、話したい議題が3つあります)とおっしゃいました。アジェンダを用意してあるわけです。その方が効率良くミーティングが進むし、本当にお忙しいのでしょうから時間を無駄にしたくない気持ちも強いと推測します。3つの質問とも用意した想定問答の範囲内だったので、スムーズに答えられ安堵しました。

2. 相手が「一つの言語しかわからない」ことを忘れない
ある一つの言語しかわからないと言うことは、バイリンガルになった時の課題や問題を理解できないことになります。

例えば、ある社員を今後どうサポートしていくかを話していて、「他の国にいる彼女と同じレベルの人と時々peer coachingするのはどうだろう? イギリスに適任者がいるんだけど」とアイディアが出たとします。

彼は英語のネイティブスピーカーで、イギリス人もそうなので、何の疑問も持たないのでしょう。でも日本人で外資に勤めている、バイリンガルの人材の英語力にはばらつきがあります。込み入った話題を外国語で同僚と話すのは、悩みを解消できるどころかストレスになる可能性もあります。ここが「一つの言語しかわからない」方と話すときに、こちらがしっかりして必要なら明確に主張しないと、できそうもないことをやることになる危険性があります。

3. 問題が起きた場合は説明の仕方を工夫する
特にミーティングの相手が日本にいない場合、日本の組織がどう運営されているか見えない場合、なんでもわかってくれていると思い込み、それを前提に話を進めるのは避けたいです。

例えば私が部の責任者で、本来やるべきでない業務を他の部から押しつけられていると思い、上司になんとかして欲しいとかけあうとします。私が見出しレベルの「私の部は現在、本来は業務でない仕事まで引き受けています」を何回唱えても相手には伝わりません。

「私の部は、本来の業務でない仕事を引き受けています。例えば◯◯と○◯と◯◯です。メンバー達の残業が増えてクレームが出ているし、モチベーションも下がって大変困っています。他部署のリーダーには話しましたが現状の方が先方は楽なので、改善されません。この状況を打開するために、あなたの同僚と上の方で話しあってもらえませんか? もしくは、他に何か良いアイディアはありますか?」

ここまで具体的に言わないと、相手に「困っているのはなぜか」と「問題解決のためにどうしたら良いか」が伝わりません。課題を伝えるときは、見出しレベルだけでなく具体的な例を挙げるのがポイントです。

4. 自分の英語力でコミュニケーション・スタイルを変える
この項目は、帰国子女等で英語力に全く問題ない方には当てはまりません。


私は帰国子女ではなく、英語で「話すこと」「聞くこと」に苦労した時期があります。モルガン・スタンレーに転職した28歳の時、上司がアメリカ人になり、どんな複雑な状況も英語で伝えなくてはいけなくなりましたが、伝えるだけの英語力がありませんでした。

そこで私がしたことは、「文章で書く」と「英語での打ち合わせ」を組み合わせる苦肉の策です。少し問題が複雑で英語で説明する自信がないとき、英語メールで先に内容を送り、実際の打ち合わせの時は相手がすでに状況を把握している状態で、フォローだけをしていました。

上司が海外にいて打ち合わせがオンラインになる場合、いろんな意味でハードルは高いので、英語メールを先に送っておくことを活用できると、ミスコミュニケーションを避けられます。

役職が高い英語人とミーティングするときは準備が肝心、上司には具体的にロジカルに説明する。相手が英語しかわからない人であることを忘れない。英語力に合わせて、相手とのコミュニケーションの方法を工夫するを実践して、英語でのミーティングをうまく乗り切ってください。

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

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