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タカシの外資系物語

学閥をぶっ飛ばせ !2001.08.24

大学を卒業して、最初に就職した日本の銀行で、私は同期や先輩から、よく次のようなことを言われていました。


「タカシって、惜しいよなぁ。それだけの実力があるんだから、東大出てれば、間違いなく役員まで行けるのになぁ」


私が卒業した大学は、大阪の田舎にある某公立大学です。そしてお世辞にも、一般に言う有名校、一流校ではありません。銀行内でも、同じ大学の出身者が全体で 5~6 名しかいない「弱小学閥」でした。


「実力さえあれば、出身校なんて関係ない !」そう思って銀行に入ってみたものの、実際には実力ではどうすることもできない「壁」が存在したのは事実です。


例えば留学生試験。私がいた銀行では、入社 4 年目ぐらいから留学生試験にチャレンジすることができました。私は英語も平均以上にできましたし、選抜テストでもそれなりの点数を取っていたと思います。しかし同期で真っ先に合格したのは、東大・京大などの難関国立大や早慶などの有名私立大の連中ばかり。私が留学生試験に合格したのは、チャレンジを開始してから、何と 4 年後のことでした ( 結局、その銀行の海外撤退に伴い、留学自体も無期延期になったのですが … )。


業務のキャリアパスに関しても同様で、私がデリバティブのトレーディング部門に異動したときも、部門ごとに有名大学の学閥が存在し、非常に居心地が悪かったように思います。


トレーダーの時代に外資系金融機関に出向し、その時に味わった感動は今も忘れません。「なんてオープンな環境なんだ ! 学閥もなく、実力だけが評価の対象になっている … 」


てなわけで、日系企業における「学閥」の存在は、私が外資系企業に転職する大きな理由の 1 つであったことは間違いありません。しかし、こういう議論は、多分に当事者の「ひがみ」や「被害者意識」が含まれています。自分で言うのも何ですが、本当に実力があれば留学生試験にも 1 回でパスしたにちがいないのです。


また、超難関大学出身の人は、やはり優秀です。私は様々な局面で、「彼らにはかなわないな … 」と思ったことがしばしばあります。


しかし、偏差値の高さがそのままビジネス社会にまで適用されるのは、やはりおかしい気がします。勉強はイマイチでも、ビジネス社会で成功することは可能に違いありません。


テストで測れるのは、ヒトの能力のごくごく一部分に過ぎません。ビジネス社会での成功は、多分に「運」にも左右されますが、「運も実力のうち ! 」でしょう。


以前の私と同じような思いで、ウズウズされている方は、外資系への転職を検討されてはいかがでしょうか ? たとえ転職しなかったとしても、外資系企業の考え方に触れることによって、つまらない「学閥社会」を、みんなでぶっ飛ばしましょう !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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