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有元美津世のGet Global!

アメリカの就労ビザ(2)─ 学生ビザからH1-Bビザ2017.05.09


前回、書いたように
、渡米前から就労ビザを取得しようというのは、駐在員でない限り、ハードルが非常に高いのです。(しかし、Lビザも、2008年以降、却下率が急増。)

一番確実なのは、俳優学校や大学の演劇科(または語学学校)から入学許可を得て、学生(F-1)ビザを取得することです。

ただし、学生ビザでは校外での就労は許されませんので、在学中におしゃれなカフェで働くには構内にそうしたカフェがある学校を選ぶ必要があります。(英語ができない人間を雇ってくれるかどうかは知りませんが。)

学生ビザで就労するには


実は、学生ビザで合法的に働く方法もあります。CPT(Curricular Practical Training)を利用し、一年間、インターンシップのような形で働くことが可能です。ただし、専攻の分野に関する職種であり、学習の一環(単位取得)として学校の許可が必要です。

もう一つのOPT(Optional Practical Training)も在学中に利用することは可能ですが、在学中に利用してしまうと卒業後に利用できない、かつ移民局の許可が必要なため、卒業後に利用する人が多いです。

昨年、「キャリアデザインインタビュー」で紹介したIさんは、米大学卒業後、OPTを利用して、一年、日系の新聞社で働きました。

OPTは最高一年までですが、理数系(STEM=Science, Technology, Engineering and Mathematics)専攻の場合、2年の延長を申請することが可能です。

なお、通常、CPTやOPTが許可されるのは学位が授与される短大以上の教育機関在学の場合ですが、俳優学校などの専門学校でもCPTやOPTが可能な学校があるようです。

H-1Bビザ


アメリカでの就労を考えている読者の方に一番関係があるのは、大卒以上の専門職向けH-1Bビザです。

OPTが有効な間に、H1-Bビザを取得するためにスポンサー企業を探す人が多いのですが、ビザ取得にあたり、(優秀なSTEM人材以外は?)まずスポンサー企業を見つけるのが最大の難関でしょう。私は昔、社員のビザをスポンサーしたことがあり、審査に落ちたことも受かったこともあります。当時はスポンサー側の書類の手続きは大したことはありませんでしたが、それでも大企業の方がスポンサーになるのを敬遠する傾向があるように思いました。

2001年の9.11以降、H-1Bビザに限らずビザ審査は厳格し、その後も金融危機による大不況の間、規則が改定されH-1Bビザの却下率が急増しました。

それよりも大変なのは、H-1Bビザは年間発給枠が決まっており、激戦の中、審査にすら至れない応募者の方が多いという現実です。同ビザの発給数上限は年8万5000ですが、* 過去5年、受付開始後5日でこの2~4倍の応募があるという狭き門です。そして受付開始後5日以内に発給枠以上の応募があると、まずは抽選となり、優れた経歴があっても運に任せるしかないというシステムなのです。(それで、Oビザ申請の資格がある人たちはOビザに流れる。)

さらに、近年、H-1Bビザの3~5割を10社ほどのITアウトソーシング企業が取得し、その乱用が問題になっており、制度の見直しが叫ばれています。これに関しては次回…

 

* そのうち2万は米大学院卒者向け。大学や非営利・政府機関に雇用される場合は枠外。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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