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有元美津世のGet Global!

東南アジアで生活(2)─ マイナス面もあるが2017.03.28


前回に続いて、東南アジアで生活する上でのマイナス面ですが…

 

・インフラ

高所得国のシンガポールはもちろんのこと、タイやマレーシアも中所得国なので大都市ではインフラも整っています。

ベトナムはインターネットが不安定で、私がいる間にも海底ケーブルが二度切れ、昨年は三度切れたそうです。携帯のデータもつながらない時があり…  インドネシアもジャカルタを離れると、天候に左右されることが多いです。

 

・汚職

私は今まで60か国ほどの国を訪れていますが、カンボジアで生まれて初めて引ったくりに遭いました。宿泊先のオーナー(弁護士兼大学講師)が警察に電話してくれましたが(警官はクメール語しか話せない)、まず賄賂を払わないと話も聞いてくれません。オーナーは賄賂を払ったにもかかわらず、約束の日時に警官は現れませんでした。

私は、その後、調書をもらうために、マレーシアに戻ってから(英語の)メールで、首都プノンペンの観光省の大臣クラスにかけ合い、4か月かけてやっと調書をもらったのですが、出てきたのはクメール語によるものでした...orz    

ベトナムでも警察や役人への賄賂が横行しており、一時期、入管で賄賂を請求されるとベトナム系アメリカ人が何人も怒っていました。同じような目に遭った日本人もいるようです。

インドネシアでは教師への賄賂で子供の成績はいかようにもなるようで。ジャカルタの入管でも、私は珍しく入国目的を聞かれ(ほとんどの国で聞かれない)、”Vacation”と言ったのに”Are you here on business?”と。「ハぁ、こんな(汚い)格好で出張するかい?!」と思ったのですが、賄賂請求のときに、よくされる質問のようです。

なお、最近の汚職度ランキングでは、アジアではインドに次ぎ、ベトナムとタイがワースト2位、3位でした。

マイナス面もいい経験に


新興国では安全や利便性、社会成熟度という面ではいろいろありますが、そういうのもひっくるめて、いい経験になります。便利になりすぎてしまった日本では、なかなか磨けないサバイバルスキルが身に付きますし、異文化で働くことで異文化コミュニケーション力も養われるでしょう。

また、私自身がそうでしたが、海外に出ることで日本の良さも見えてきます。たとえば、「事件があったら警察に届けて受理してもらえる」なんていうのが当たり前ではない国は、アジア以外にもいくらでもあります。「困ったときに警察に行ける」ということは、恵まれたことなのです。「日本は便利」というのも、海外に住むことで認識できます。

別に、渡航先で骨を埋める覚悟で行く必要はなく(骨を埋められるビザをすぐにくれる国はまずない)、1年くらい様子を見て我慢できなければ、日本に戻る、または別の国や都市に移ることも可能です。いったん東南アジアで就職すれば、東南アジア内で国をまたいでの転職もしやすくなるでしょう。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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