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有元美津世のGet Global!

和製英語に気をつけよう(22) ─ 「エール」2016.08.23

 

都知事選でよく聞かれた和製英語をもうひとつ取り上げたいと思います。

 

「エールをいただいた」の「エール」ですが、実は、これが英語のyellから来ていることを私も今まで知りませんでした!発音も意味も全然違うし… 「エール」というと発音的にはale(上面発酵ビール)を想像してしまいます。

 

多分、スポーツでのエール交換から「エール」が使われるようになったのでしょうが、「声援」という意味で英語のyellが使われる場面は非常に限られます。下記のような形でのスポーツの応援でしか使えませんし、ここでもyellよりもcheersの方が一般的です。

The teams’ cheering squads exchanged cheers/yells.(両チームの応援団がエールを交換した。)

 

Yell は「叫ぶ、怒鳴る」という意味で、いい意味では使えません。

When I asked the bus driver a question in English, he yelled back at me in Cantonese.

(バスの運転手に英語で質問したら広東語で怒鳴り返された。←香港での体験談)

 

選挙演説などで観衆が候補者に対してyellしたら、応援ではなく批判や抗議をしていることになります。

Protesters yelled at the candidate. (抗議者らが候補者に怒鳴った。)

The supporters and protesters yelled at each other.(支持者と抗議者が怒鳴り合った。)

 

「エールをもらった」「エールを送った」

 

日本語で「応援する」という意味で使われる「エール」は、英語では状況によって、ふさわしい表現を使わなければなりません。以前、「日本語の一語一句にこだわっていては英語は上達しない」と書きましたが、「エール」という単語にこだわっていては英語らしい表現はできないのです。

 

たとえば、「有権者の皆さんからエールをいただいた」は、下記のように表現できます。

Many voters voiced their support for me.

 

また、「エールを送った」も、いろいろな言い方ができます。

The new governor expressed support for the new minister.

(新知事は新大臣にエールを送った。)

I wished my son good luck with his job search. (私は就活をする息子にエールを送った。)

I wished her the best in my mind.  (私は彼女に心の中でエールを送った。)

 

カジュアルな場面であれば、shoutoutを使ってもいいでしょう。

Here’s a shoutout for you. (エール送るね。)

 

「エール」は「『~』と送った」という形で使われることが多く、メッセージは『 』の中にあることが多いです。たとえば、「『ご健闘をお祈りします』『がんばって』」とエールを送った」という場合、「健闘を祈った」ということであり、英語では下記のようになります。

I wished them good luck.

I sent them best wishes.

I hoped for the best for them.

 

同じように、

He wished her the best of luck, saying “It’ll be a battle.”

(「バトルになると思います。がんばってください」と知事にエールを送った。)

I’m counting on her to shake up Tokyo politics.

(知事には都政を改革していただけるようエールを送ります。)

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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