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有元美津世のGet Global!

海外での健康リスク2015.11.03

 

二ヶ月にわたりマレー半島を覆っていた煙霧(haze)が、毎晩のように降る雨のおかげで(一部は人口降雨)、やっと晴れました。先週、シンガポールの国防相も窓から撮った写真と共に「また青空が見える、雲が見える」とフェイスブックに投稿しましたが、私も窓から海が見えるのは数週間ぶり、彼方がすべてきれいに見えるのは到着後初めてのことです。

 

今年は、毎年恒例のインドネシア発の煙害が史上最悪で、シンガポール、マレーシアだけでなく、タイやベトナム、フィリピンの南部までもにまで広がりました。今年の被害は、過去最悪の被害額90億ドルに達した1997年の煙害を上回ると予想されています。(警察に被害届を出し、1億ドルの損害賠償を求め、「インドネシア政府を訴える」と息巻くマレーシア人ビジネスマンも。)

 

通常なら10月には雨季に入り、雨でインドネシアの(野焼きによる)森林火災は収まり、煙害も終息するのですが、今年はエルニーニョの影響で季節風による雨季到来が遅れ、未だ森林火災が続いているのです。リゾート地のランクアイ島(マレーシア)やプーケット(タイ)でも被害が出、観光業界にとっては大打撃です。観光客は、きれいな海を見ることもなく、グレーの空を眺め、スモッグを吸引して帰ることに… 休暇を楽しめないだけでなく、各地の空港で欠航便も相次いだため、足止めを食らって余計な費用までかかり、「こんなところには二度と来たくない」という観光客も。今回は、欧米のメディアでもニュースになったので、周辺諸国にとっては、とんだネガティブパブリシティです。

 

健康被害

 

「煙霧」というと大したことはないように聞こえるかもしれませんが、実際にはスモッグ(smog = smoke + fog)、大気汚染、公害です。温室効果ガス排出量世界第二位のアメリカを凌ぐ量のガスを排出したと言われる今年、Haze Crisisという表現も使われていますが、なぜhazeなどというソフトな表現を使うのか?!

 

1997年の煙害では、1万5000人以上の人が亡くなりました。とくに幼児や高齢者、呼吸器や心臓に疾患のある人は要注意で、今回も煙害発生地のスマトラなどでは乳児や幼児が呼吸器疾患で亡くなっています。(現地の人たちはマスクすらしていない!)私の連れは、クアラルンプールやシンガポールに比べれば煙害がマシなペナンで気管支炎になりました。

 

日本外務省では「PM2.5が含まれているので留意するように」と呼びかけ、対在留邦人向け講話のため、シンガポールやマレーシアに公衆衛生学の専門医を派遣したほどです。

 

ネットの旅行フォーラムでも「子供が呼吸器疾患を抱えているので、バリに避難しようと思っているが、バリでは煙害は?」と質問しているシンガポール在住者が何人かいました。(同じインドネシアでも、風向きの影響で東の方は煙害はないもよう。)

 

私も、家の中にいても、こげ臭い臭いがし、頭痛はするし、喉はイガイガ、目もシクシク状態。10月頭時点では10月いっぱい続くといわれていたので、急遽、カンボジアに避難しました。空港に向かう途中、運転手が「先週もCameron Highlandsに避難する人を空港まで送った」と言っていましたが、シンガポールから避難した人もいるようです。(Cameron Highlandsは高原で涼しく、野菜の産地でもありますが、煙害の影響で収穫量が落ちているそうです。また、鶏は人間よりも煙害に弱く、月に何百万羽と死んでいるそう。)

 

 

海外志向の皆さん、渡航先の(異常)気象状況や健康リスクについても、しっかり調べましょう。航空機遅延費用がカバーされた旅行保険もお忘れなく。

 

自然災害は?

 

3年前に、日本にいる知人から相談を受けました。「カリフォルニアの大学に行っている娘が、大地震が起きるのを恐れてテキサスの大学に転入したいと言っているが、どう思うか」という内容でした。当時、テキサスに住んでいた私の返答は「テキサスは生活費は安いけど、最近、小さな地震が相次いでいる(シェールガス破砕の影響)。それに北テキサス(ダラス)は、毎年、竜巻が来るし、暴風雨とともに雹霰は降るし(ソフトボールサイズのが降る場合も)、南テキサス(ヒューストン)はハリケーンも来る(今年のパトリシアでも洪水が)。東海岸も、ときどきハリケーンに見舞われるし(750億ドルの被害をもたらしたサンディが襲ったのは、その年)、近年は極寒、豪雪が続いているし、何といっても生活費が高い。」結局、どの州に移ったのかは聞いていません。(笑)

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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