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有元美津世のGet Global!

待ったなしの国際化(2)2015.10.06

 

私は9月に北海道にも行ったのですが、道南を回るのに、一日、多言語案内システム搭載の観光バスに乗りました。まず朝、集合場所に着いたところ、アジアからの観光客を中心に外国人客がひしめき合う中、アナウンスは日本語のみでした。バスの出発時間が来ると、係員は、タイ語を含む数ヶ国語で書かれた案内ボードを持って観光客の間を回ります。係員は、華人系観光客に英語で質問をされても答えられず、ほぼ無視の状態でした。

 

バスには、数ヶ国語で観光案内がされる音声システムが装備されており、各自ヘッドフォンで聞くのですが、ガイドさんも乗っていて、発着時刻や降車後の説明、さらに名所を通った際の説明は日本語のみで行われました。

日本語がわからない乗客向けには、各降車地での出発時刻は紙に書いて表示するだけで、他の細かな説明は日本語以外でありません。中国人観光客が(たどたどしい)英語で質問をしても、ガイドさんは無言でジェスチャーで対応するだけなのです。

 

アジアからの観光客に大人気の北海道で、この対応は、あまりにもお粗末ではないでしょうか。少なくとも、多言語案内システム搭載バスに乗るガイドさんくらいは、簡単な説明や質問への回答は英語でできるだけの訓練が必要だと思います。簡単な説明は、紙に英語で書いたものを棒読みするだけでもいいと思います。

 

とりあえず、前回、話したような観光客の多い飲食店・小売店のスタッフくらいの対応はできるようにならないと、「また来よう」というリピーターを増やすことができず、各国では「日本の観光バスは外国語で案内してくれない」という評判が広がっているかもしれません。

 

やはり大事な伝えたいという気持ち

参考:語学力よりコミュニケーション力 (2) - 大事な伝えたいという気持ち

 

実は、今回、道頓堀で知人の知人が経営するインド料理店を訪れたのですが、そこの日本人オーナーには感服しました。その方の英語はかなりブロークンで、私も何を言っているのかよくわからなかったのですが、場所柄、外国人のお客さんが訪れることが多く、来客には、”Where are you from?” “How long are you staying?”と積極的に話かけるのです。

 

ちょうど私が来店している間に、パキスタン人男性が来店したのですが、そのオーナーは、次々にブロークンの英語で質問を浴びせかけ、相手も、やはりブロークンな英語で返答していました。それで十分、会話は成り立っているわけです。

 

私も一緒に、いろいろ質問していたのですが、日本に商用で来て3ヶ月滞在する予定なのにホテルを予約していないと言うではありませんか!(どうも関空から道頓堀に直行したようです。)そこで、オーナーは、彼を連れてホテル探しに出て行きました。

 

このオーナーにとっては、こうしたことは日常茶飯事のようで、オーナーの人柄で、店には国内外の常連客が集まるようです。オーナー不在の間に来店した日本人客に「こうこうで、 オーナーは今、ホテルを探しに行っています」と説明すると、「またか」との返答でした。 

 

彼女のブロークンな英語は、来客の対応や来客との交流、「おもてなし」には十分なわけです。(ご本人は、きちんとした英語の習得を目指しておられます。)

私は、先のバスのガイドさんには日本語で丁寧に接していただき、途中下車した際にも、お世話になりましたが、「海外からの観光客を助けたい」という気持ちがあまり感じられませんでした。もちろん、「私は、そうした努力に見合うだけの給料をもらっていない」といった事情もあるかもしれませんし、結局は雇用主の経営方針の問題です。

経営方針は企業側に任せるとして、バスガイドさんが外国語に堪能になれば、キャリアアップや転職のチャンスにもつながるのではないでしょうか。

 

キャリアアップどころか、就職に必須に?

 

観光バスが途中で寄ったホテルでは、乗客への温泉の英語の案内を中国人スタッフがしていました。東京秋葉原の免税店では、ウズベキスタン語とロシア語以外に、日英流暢なウズベキスタン人の店員に会いました。

キャリアアップどころか、外国語ができなければ、バスガイドの職も、そのうち数ヶ国語堪能な外国人に奪われる日が来るかもしれません。

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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