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有元美津世のGet Global!

クルーズ船でグローバル力を養う (7) - 「乗客として」(続編2)2015.03.17

 

クルーズ船上では異文化間の摩擦を経験するだけでなく、異国間の摩擦に触れることもあります。グローバルに働きたいという皆さんのことですから、日ごろから世界情勢や経済の動きを追っていることでしょう。

 

日ごろからニュースでは聞いている話でも、実際に目前で見たり、それに巻き込まれると忘れられない思い出となります。

 

国際紛争に巻き込まれる

 

イギリスを出発し、大西洋を南下して、地中海に入るクルーズに乗ったときのことでした。船のエンジンの調子が悪く、スピードが出ず、予定よりも運航が遅れていました。リスボンの後はバルセロナに寄港のはずだったのですが、急遽、イベリア半島にある英領のジブラルタルに寄ることになりました。

 

面積わずか6平方キロメートルほどのジブラルタルは、昔から軍事上、海上交通上の重要拠点とされており、今も英軍が駐屯しています。観光スポットといえば石灰石でできたThe Rockとそこに生息する野生猿くらいです。それにも、町にあふれる英系パブ(イギリス人が多いところは、どこもBritish/Irish/Scottish Pubだらけ)にも興味がない私は、おいしいスペイン料理を食べるために国境を超えてスペイン領側に歩いて渡りました。

 

そして、翌日はバルセロナに寄港予定のはず…だったのが、当日、船はバルセロナ近くで停泊したままでした。結局、スペインから寄港許可が降りず、寄れませんでした。というのは、ジブラルタルは18世紀に英領になる前、スペイン領で、今もスペインは領有権を主張し、イギリスと対立しているからです。

 

たかがサル山ですが、1982年にはイギリスとアルゼンチンがフォークランド諸島を巡って戦争(Falklands War)し、900人以上が戦死したくらいですから、当事国は真剣です。

 

昨年は、チュニジアに寄航した際、イスラエル国籍者の入国が許されない(他国籍のユダヤ系は許された)という事態が起こり、チュニジアを寄港地から外すクルーズ会社も現れました。

 

突然の変更はしょっちゅう

 

面白くもないサル山に寄ったせいでバルセロナに寄港できず、船上では乗客の怒りが噴出し、返金やcreditを求めてスタッフに詰め寄る人たちもいました。

 

実は、バルセロナに寄港する日、私は現地の友人夫婦とランチすることになっていたのでした。バルセロナに寄らないことがわかってすぐに「ごめん、今日、ランチ無理」とメールを送信したところ、夫(オランダ人)の方から「港で働く妻(スペイン人)が『船が停まらずに行っちゃった』っていうから、どうなったのかと思っていた」と返信が来ました。

 

クルーズは、その後も、海が荒れていたせいでニースには寄れませんでした。その前に寄ったマルセイユでは、やはり天候のせいだったかで船を港につけられず、希望者だけクルーズ船から救命艇で港まで移動しました。(荒れた海の中、「そんな小さなボートに乗りたくない」という人は降船せず。)

 

クルーズでは、こうして突然、寄港地が変わることは珍しくありません。12月に乗ったクルーズでも、乗船すると、リマに二日のはずが、「何ヶ月も前から予約していたリマの船着場が他社に横取りされて(!)、滞在は一日になりました。代わりにリマに向かう前にSalaverryに寄ります」という知らせが客室に届いていました。

 

Salaverry自体は港町で何もないのですが、そこからすぐのペルー第三の都市、Trujilloが非常に気に入ったので(世界遺産のChan Chanも)、私はそれはそれでよかったのですが、「また、こんな汚いところ(dump)に連れてきやがって!」と怒るアメリカ人乗客らが…

 

こうした突然の変更も、旅行の一環、サプライズ、アドベンチャーとして楽しむのが旅行を楽しむコツであり、グローバルに生きていく力として欠かせないと思います。

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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