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ホワイトカラー・エグゼンプション(White-Collar Exemption)2014.09.16

前々回、サービス残業の話が出ましたので、昨今、日本で議論されている「残業代ゼロ法案」「ホワイトカラー・エグゼンプション」に少し触れておきます。

外資系企業では、昔から、Exempt社員(管理職や専門職など、以前、紹介した”Professional” と位置づけられる人たち)とNon-exempt社員(事務などの一般職)に分かれ、Exempt社員には残業代はつきませんでした。私が30年前に勤めていた在日アメリカ企業でも、管理職だけでなく、営業マンもExempt社員でした。(ちなみに、Non-Exemptでも給料は年棒制で、年収を12等分された額が毎月支払われました。) 

アメリカのExempt, Non-Exemptは、公正労働基準法(FLSA =Fair Labor Standard Act)で定められており、同法の適用を受ける社員らはNon-Exemptで、適用を受けない社員らがExemptと分類されています。

たとえば、営業職では“Outside Sales”担当者(外勤営業職)がExemptで、 “Inside Sales”(内勤営業職)はNonexemptと定められていますが、その他の職種では、主に1)給与水準、2)給与の支払われ方、3)職務、によってExemptかどうかが決まります。

Exempt扱いになるには、1)年収最低23,600ドル(週455ドル)で、2)固定給(仕事の質や量にかかわらず週の賃金が最低限保証されている。工場が閉鎖になったり、閑散期だからといって減給されたり、丸一日働かなくても減給されない)、3)Exemptの職務-- Executive(管理職)、Professional(専門職), Administrative (運営職)のいずれかを担うことという3つの条件を満たす必要があります。

肩書きではなく、実際の職務内容が問題となり、たとえばExecutiveの定義は「指揮する部下が2人以上」「ただ監督するだけではない」といった細かい条件があるので、名ばかり管理職だけではExemptではないということです。

Professionalは、弁護士、医師、教師、建築家、看護師(RNと呼ばれる正看のみ)、会計士、エンジニア(工学士保有者)、科学者、薬剤師、その他、高度な知識を要する職に就く人たちと定義されています。通常、大卒以上で、専門教育を要する主に知的作業に従事している人たちです。また、俳優、音楽家、作曲家、著述家、漫画家、一部のジャーナリストなど”Creative Professional”的職務の従事者が含まれる場合もあります。

3つの中でExemptかどうかを判断するのが一番むずかしいのが、Administrative(運営職)です。オフィスワーク従事者なのですが、主たる職務が、従業員または顧客の管理もしくは事業運営に直接関連するオフィス業務、あるいは非単純作業で、かつ主要職務が重要事項に関する独自の判断、自由裁量を含むものと定義されています。Administrativeは、運営・生産従業員をサポートする”staff”従業員であり、”line”従業員ではないのです。

Administrativeには、労使関連、人事、給与計算・財務、会計・税務、広告マーケティング、品質管理、後方、法務、一部のコンピューター・IT関連職従事者などがあります。仕事の内容が秘書職ではない真のAdministrative Assistantも含まれます。

コンピューター関連従事者に関しては特別な規定があり、システムアナリスト、プログラマー、ソフトエンジニアなどはExempt扱いですが、コンピューターハードの製造や修理に主に携わる社員や、たとえばCADオペレーターなど、コンピューターを使って仕事をしてもシステム分析、プログラミング、ソフトエンジニアリングなどに携わらない社員はExempt扱いにはなりません。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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