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有元美津世のGet Global!

和製英語に気をつけよう(9)–「サービサー」2014.09.09

前々回、「サービスする」という日本語の「サービス」の動詞形について触れました。

英語の”service”が動詞に使われる場合、「機械などを整備する」といった意味になります。

“The copier needs to be serviced” “The copier needs servicing.”

自動車にも使われ、ディーラーや修理工場から次のような勧誘のメールが届くことがあります。 
“We understand that you have many choices when it comes to servicing your 2013 Toyota Prius.” 
(お客さまの2013年トヨタプリウスの整備に関しては、お客さまには多くの選択肢があることは承知しております。)

ディーラーや修理工場に出向くと、 
“When was the last time your car was serviced?” 
(前回、車を整備したのはいつですか?) 
と聞かれることもあります。“Servicing”の内容は、修理であったり、オイル交換などの定期的サービスであったりします。

”Servicer” vs. 「サービサー」

金融業界でも”service”が動詞として使われます。”Service (student) loans/mortgages”という形で使われるのですが、これは学資ローンや住宅ローン(mortgage)などの債権者に代わって、融資先(借り手)から債権管理回収作業を行うという意味です。

そして、こうした業務を行う金融機関は”loan servicer””mortgage servicer”と呼ばれます。

アメリカの学資ローンには、連邦政府政府によるものと民間の金融機関によるのものとがあります。民間の学資ローンより低金利の連邦政府による”Direct Loan”では、Servicerは教育省が指定します。こうした専門業者は教育省と契約を交わした専門業者であり、”ABC Servicing” “XYZ Educational Loan Services”といった名前の会社があります。

一方、アメリカの“Mortgage Servicer”は、融資を行った金融機関(Mortgage Lender)である場合が多いのです。アメリカでは、住宅ローン(債権)の3分の2ほどを政府支援機関(GSE)が買い取るのですが(さらに4分の1を政府が保証)、売主の金融機関が住宅ローンの管理回収作業を続け、それに対してサービス料(Servicing Fee)を徴収するのです。

日本で「サービサー」と呼ばれる債権回収会社も、正常債権の回収も行うようですが、元々、不良債権の処理を促進するために設立された業種であるからか、不良債権回収業務が主のようで、融資元である金融機関が回収できない債権をサービサーに譲渡したり、回収を委託することが多いようです。英語では、こうした業者は”Collection Agency”と呼ばれます。もう少し広義の意味で”Debt Collector”も使われます。

つまり、“Servicer”という業種はアメリカにもあるのですが、日本の「サービサー」とは業務内容が少し違うということです。

今回の内容は、金融業界の方以外には、あまり興味のない話題だったかもしれませんが、ご参考までに。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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