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有元美津世のGet Global!

和製英語に気をつけよう(8)-「サービス」の英語の意味(前編)2014.08.25


前回、前々回の
「フリー」に関する記事に対して、Twitterで「サービスも罠に陥りやすい和製英語」というご指摘をいただいたので、今回は「サービス」を取り上げたいと思います。

「お客へのご奉仕」を意味する「サービス」


日本語の「サービス」には、英語の”service”と同様に「人のために尽くすこと、奉仕すること」「顧客に提供される便宜」「売買される無形財」という意味がありますが、それ以外に「値引きやオマケなどのお客への奉仕」という意味があります。これは英語の”service”にはない意味ですので、この意味では”service”は使えないのです。 


たとえば、「サービス価格」は「特別価格」「割安価格」という意味ですから、”special price” “discounted price”が適切でしょう。(和英辞書に”service fee”や”service price”と出ていますが、”service fee/charge”といえば、「サービスに対する料金」という意味になります。) 

「タイムサービス」は「時間限定サービス」という意味ですから、”Limited-time special/offer”ですが、”afternoon(morning) special” の方が自然な英語でしょう。ランチタイムのサービスであれば”lunch special”です。また、下記のように様々な形で表現することになります。 

「ランチタイムのサービスでドリンクが無料」 Lunch special includes a drink. 

「2時~4時タイムサービス、ラーメン300円」Ramen 300 yen: 2 to 4 pm. 

「半額タイムサービス。5時~7時オールドリンク半額」All drinks half-priced: 5 to 7 pm. 

なお、夕方、アルコールが割引されるタイムサービスは、通常、“Happy Hour”と呼ばれます。 

和製英語としてお馴染みの「モーニングサービス」は、割安価格の朝食セットという意味であり、英語では”breakfast special”、“breakfast combo”(”combo”は”combination”の略で「セット」の意)などと言われます。英語で”morning service”といえば、教会や礼拝堂での「朝の礼拝」という意味です。

日本ではサービスは無料だから?


「これくらいサービスしてよ」というのは状況にもよりますが、「これ、オマケしてよ」と言いたいなら、”Can you throw this in?” “Why don’t you throw this in?” 


「なんかサービスしてよ」 “Are you giving me a freebie? “Do you have any freebies?” などと言うことができます。 

飲食店でドリンクや一品サービスという意味で「今日は、これをサービスしておきます」なら、”This is on the house today.” 

「サービスさせていただきますよ」であれば、”I’ll give you a good deal”、サービスが割引という意味であれば”I’ll give you a discount.” “Don’t worry. I’ll take care of you.”なんていう店員や店主もいます。 

なお、「無料奉仕で組織に貢献する(滅私奉公?)」という意味で生まれたと思われる「サービス残業」は、英語で言うなら”unpaid overtime”。最近では、アメリカではLinkedInがサービス(未払い)残業代600万ドルの支払いを米労働省に命じられたことがニュースになっていましたが、”LinkedIn Pays $6 Million for Unpaid Overtime, Damages.”(ビジネスウィーク誌)のように使われます。 

「今夜もサービス残業だ」であれば、”I’m working overtime without pay again tonight.”

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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