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和製英語に気をつけよう(7)ー「フリー」(後編)2014.08.19


    ご存知のように、“Free”には、前回の「自由」以外にも、「無料」など他の意味があります。 また、”Free of /from….”といえば「~のない」「~を含まない・~抜き」という意味になります。

    「~抜き」という意味の”Free”


    数年前、「キリンフリー」が日本で発売された際、日本在住のニュージーランド出身の知人が、そのラベルの写真をメールで送ってきました。”Kirin Free”だと「無料のビール?」と思われても仕方ないですね。(注目を浴びるように、わざと”Free”と大きく印刷したとの説もありますが。)サントリーにいたっては、”All-Free”で「すべて無料」なのか「何がすべて入ってないのか(free from all?)」、意味がわかりません。(なぜハイフンが入っているのかも不明)。 


    サッポロは「プレミアム アルコールフリー」ですが、”alcohol free”は正しい英語です。(ただし、飲食店などのメニューでは、“Non-alcoholic beverages”の方が主流で”Alcohol-free beverages”というのはあまり見かけません。) 

    「キリンフリー」のラベルには、日本語で「ノンアルコール」とも書かれていますが、英語では“Non-alcoholic beer”になります。 

    「キリンフリー」のコピー(登録商標)には“Beer Taste Beverage. Refreshing and Rich Taste for Your Free Life”とありますが、英語的には”Beer Taste Beverage”は”Beer-flavored Beverage”であるべきで、”free life”というのは意味を成しません。「自由に生きる」という意味であれば、”live (your life) freely”になります。
    なお、”live free”と言うと、「政府などに抑圧されず自由に生きる」という政治的な意味合いがあります。

    「ノンシュガー」「ノンカフェイン」も和製英語


    「ノンシュガー」も和製英語で、英語では”sugar free”になります。”Sugarless”もガムなどの一部の商品には使われますが、”sugar free”の方が一般的です。 


    Sugar-free gum/candy/cough drop(シュガーレスガム/飴/咳止め) 

    アメリカではファミリーレストランでホットケーキ用にノンシュガーのシロップがほしければ、“Can I get sugar-free syrup?”といえば持ってきてくれます。 

    日本語はカフェイン抜きも「ノンカフェイン」「カフェインレス」などが使われますが、英語では、炭酸飲料では”Caffeine Free Coca Cola Zero” ”Caffeine Free Pepsi”のように”caffeine free”、コーヒーであれば、”decaffeinated coffee”(略して”decaf”)が使われます。 

    Can I have decaf? (カフェイン抜きのコーヒーをもらえますか?)  

    なお、“Fat-free milk”とは「無脂肪牛乳」のことですが、“skim milk”とも呼ばれます。 

    また、英語圏に旅行すると、ホテルで下記のような表示をよく見かけます。 

    ”We’re 100% smoke free.” “This is a 100% smoke-free facility.” (当施設は完全に禁煙です。) 

    これは客室だけでなく、ロビーでも廊下でも、一切、喫煙は不可ということです。喫煙室もありません。(ただし、禁煙の客室は”non-smoking room”と”non-smoking”を使います。) 

    オフィスビルでも、”This is a smoke-free building”という表示がされているところがあります。

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    この記事の筆者

    有元美津世

    大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
    著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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