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有元美津世のGet Global!

就活に欠かせないNetworking(2)--日ごろの積み重ね2013.12.24

    就活に欠かせないNetworking(2)--日ごろの積み重ね


     アメリカでは求人の8割以上が公募されず、社員の口コミなど社内や業界のネットワークを通じて埋められると言われています。とくに不景気で就職難の時代には、求人広告を出すと、応募条件を満たさない応募者からのものも含め、膨大な応募が寄せられるのです。スターバックスでは、1年間に6万以上のポストに対し7000万人以上、P&Gでは2000のポストに対し100万人近くの応募があったといわれています。


     何百人という応募者を選考するよりも、人材採用担当者は、日ごろから築いたネットワーク(人脈)を通じ、適格者を紹介してもらう方が効率がいいわけです。 社員の口コミによる採用の方が成功率が高い、という調査結果もあります。


     ということは、求職者は、“社内や業界の口コミの輪”に入っていなければ多くの求人情報を入手できないということです。そのため、業界団体や交流会、最近ではソーシャルネットワークなどに積極的に参加して人脈を作ることが不可欠となります。


     ある在米日本人女性は、夫の転勤で転職が多く、引っ越す度に新天地で、働く女性の交流会などに加入しては、委員などを務めていました。そうして、他の会員などを通じて採用情報を内々で得て応募するのですが、彼女は常にこうして口コミで仕事を見つけてきました。こうしたNetworking力、積極的に人脈(コネ)を作って職探しをするのも、“実力”のうちなのです。


     「業界の先を見抜く(2)で紹介した新聞社勤務歴30年の50代の男性(Hさん)は、最近、元同僚の紹介で雑誌の編集の仕事を見つけました。私は、数年前に同じ職がネットで公募されているのを見たことがあります。前職者は締切を守らないため、クビになったそうで、雑誌の編集長が新聞社で働く知人に「誰か、いい人いない?」と打診したようです。週20時間のパートタイム職ですが、2つの技能試験が課され、たとえ知人の紹介でも、それに合格しなければ採用はされません。しかし、こうして募集情報が公募される前に応募できれば、それだけ競争は少なくてすむのです。

    全米規模の業界口コミの輪


     実は、Hさんは、日ごろからNetworking活動を欠かしません。毎年、知り合いに誕生日のカードやクリスマスのカードを200通ほど送ります。これまで何度もレイオフにあっているので、万が一のときのために、以前の上司や同僚など全米中の知人とのつながりを保つためです。元同僚と、よくご飯を食べに行ったり、映画を見に行ったりもしています。(それも元同僚らのおごりで。面白い業界の話や社内のゴシップを提供してくれるので、私もよくランチをおごります。)

     以前の同僚が全米各地の新聞社に転職しているため、Hさんの元には、いち早く業界の情報が集まります。「A社ではcopy editorを探している」という採用情報から、「問題ばかり起こしている○○さんがB社をクビになった」「それなのに今度はC社に転職した」「△△が不倫して離婚した」というゴシップまで。つまり、Hさんは、全米に口コミの輪を築いているわけです。

    一緒にレイオフされた同僚が、昔、他州で勤めていた「D社で人材募集しているよ。□□さんに履歴書送ってみたら」と□□さんのメールアドレスを送ってくれることもあり、人事を通さずに、直接、現場の採用担当者に履歴書を送ることができるわけです。


     Hさんは元上司にも気に入られているため、レイオフされた新聞社に再雇用され、再度、レイオフされた後も、誰よりも早く真っ先にパートタイム勤務に呼び戻されました。

    今の時代、雇用が安定していた頃の求人広告を見てレジュメを提出して相手企業からの返事を待つ、といった受身のやり方ではなく、転職が差し迫って必要になる前に、日ごろからNetworkingを行い、積極的に自己PRする攻めのやり方が必要とされているとつくづく思います。

     

    <余談>

     もちろん、斜陽産業にしがみつくために努力するよりも、別の業界に転職したり、起業したりするために努力した方がいいという人もいるでしょう(私は完全に後者です。)実際、レイオフされた職場から再雇用をオファーされた人には「誰があんな職場に戻るものか!」と別の業界に再就職した人もいますし、レイオフ後、上司の写真を燃やしたくらい上司と仲が悪かった人には「呼ばれてホイホイ戻るなんて、Hにはプライドはないのか!俺は呼ばれたって死んでも戻らない!」という人もいました。Hさんは「僕にはプライドなんてないですよ~」と。

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    この記事の筆者

    有元美津世

    大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
    著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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