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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資に向いている人、いない人2022.11.15

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。今回のテーマはよく聞かれる「外資に向いている人はどんな人?」です。

 

1. 多様性を活かせる

 

外資で働くようになると、性別・年齢・国籍・宗教・LGBTQなどの多様性全てを許容し、視点が違うからこその多様な発想を素晴らしいと思えることが大事になります。日本流が全てと思い込み相手に押しつけても、機能しないどころか摩擦の原因になることが多いです。

世界中の国の価値観・考え方・仕事のやり方は違うので、どうすり合わせていくのかを楽しめることは非常に大事です。日本のやり方にとらわれず、時には譲り、時には曲げずの積み重ねを面白がれると本人も周囲も楽です。

 

2. 想定外対応力

 

外資の本社はよく方針を変えます。これはホフステード異文化モデルの、不確実性回避度で説明できます。簡単に言うと石橋を叩きたいかということです。日本は1-100の物差しで92(スコアが高いほどその傾向が高い)、世界でも名だたる「石橋を叩きたい」国です。前例がないこと、先がよく見えないことはできれば避けたい人が多い国です。

他の国のスコアを見ると、
・アメリカ 46
・イギリス 35
・ドイツ 65
・中国 30
・マレーシア 36
で、将来が不確定でなくても怖くない国もあることがわかります。

日本のように最初によく考えて根回しをしてからプロジェクトを始めるのではなく、とりあえず始めて走りながら考えることを良しとするわけです。途中で間違っていると気がついたら軌道修正すればいいだけという考えなので、朝令暮改のようなことがどの部でも起こります。 いちいち怒っていたら身がもたないので、柔軟に変化を楽しめないとかなり辛くなるでしょう。

 

3. ローコンテクストのコミュニケーションが取れる

 

日本は、世界でも最たるハイ・コンテクストの国です。あ・うんの呼吸、行間を読む、空気を読むなど、口から発した言葉以外を憶測しようとします。日本人同士の場合は良いかもしれませんが、多国籍軍団で仕事をする場合これでは通じません。

上司が部下に「それやっといて」と英語で伝えることはあり得ないわけで、「何をいつまでにどのように仕上げて欲しい」を明確にロジカルに伝えないと相手に伝わりません。世界のすべての国がローコンテクストなわけではないですが、英語で仕事をする環境になったらしっかり気持ちを切り替えて、「ローコンテクスト」つまりは、明確に伝えるコミュニケーションを取ることが肝要です。

 

4. ポジティブ思考

 

日本人は誠実で正直です、「できないものはできない」と言いたいですよね。その発想はグローバルかと言えば、残念ながら答えはNOなのです。

英語圏は、ポジティブなことを好みます。NIKEのキャッチフレーズ覚えていますか? “Just do it”(とにかくやってみよう)です。出来ないかもしれないと自信なさげに悩むのではなく、きっとできると根拠のない自信を振り絞って、とにかくやってみるのが外資流です。

 

5. 自立型人間

 

外資は自己責任の世界です。もちろん、新卒社員の方にDay1から即戦力を求めたりはしませんが、新卒オリエンテーションも最低限での長さで、あとは自分で道を切り拓いてくださいというスタンスです。

何から何まで教えてもらわないと、仕事がいつまでもできるようにならない人材は外資にはいません。必要な情報は、検索したり人脈から得たり自ら集めることができることが求められます。

「自立型」はキャリアの形成においても必要です。会社は研修などの「成長の機会」を提供しますが、年次ごとで全員が受けるトレーニングは存在せず、自主的に受けたい研修で公開のものに手を挙げるのは社員が率先してすべきことです。外部に参加したい研修があって、会社に費用を持ってもらえないかとかけ合うのも、自立型人材で向上心が高いから出来ることなので、予算の問題がなければ歓迎されます。

 

今回は、外資に向いている人材の要件を5つ挙げました。幾つ当てはまりましたか? 4つ以上なら外資にすぐ転職して大丈夫です。3つ以下の場合は、足りないところを強化する努力をしましょう。応援してます!

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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