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鈴木美加子のグローバル人材塾

英文履歴書は応募するポジションに合わせて微調整する2022.09.13


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。
本日は、一度作成した英文履歴書を応募するポジションに合わせると、書類選考率が高くなることがテーマです。

例として、人事のジェネラリストが研修責任者のポジションに応募するケースを挙げます。微調整しないとまずい理由は二つあります。まず経歴をそのまま並べると、「研修の専門家」というよりは人事のジェネラリストという印象を与えます。企業が「研修責任者」を探しているときは、この状態の英文履歴書では「弱い」ことになります。

もう一つ意識したいことは、履歴書を読む人が隅から隅までじっくり読むとは限らないということです。最初のSummary, 職歴の最初の方で、「求めている資質・経験を持っていない」と思ったら、それ以上先を読まない可能性は十分あります。一生懸命書いてくださった履歴書を、忙しすぎてちゃんと読めない現状は申し訳ない限りですが、外資で暇な採用担当はいないので、斜め読みになる可能性はあると思った方が無難です。

ではどのように、履歴書を微調整したら良いでしょう。

a) 出だしのSummaryで、研修以外のことに触れない。
目的 : 研修のプロという印象を与えるため。
補足:人事のジェネラリストの経験が長く、割愛すると履歴に厚みがなくなる場合は、”9-year HR experience focusing on talent development” などのように、フォーカスは研修ですと見せることもできます。

b) 過去の勤務先での成果のトップが必ず「研修」に関する実績になるよう順番を変える。
目的:面接官が必ず読むのは、各勤務先の最初の方に上がっている項目なので、よく読んでもらうため。
補足:万が一、ある企業での研修の成果があまり大きくない場合は、2番めくらいに登場されるで大丈夫です。

c) 研修と関係ない成果の数を大きく減らす。
目的 : 採用担当が関係ないことを読む時間を増やさないように。
補足 : 採用担当が知りたいのは「研修」の経験なので、他の分野で華々しい実績を上げていたとしても、あまり評価されません。研修の分野で出した実績で履歴書に書けることを思い出しましょう。

d) 10年前以上の勤務先に関する記述を短く。
目的:10年も前のことは参考程度にしかならず、よく読まない可能性が高いからです。
補足:採用する企業が気になるのは、直近の2社もしくは10年くらいです。紙面が足りない時など、新卒時代を大幅に短くして大丈夫です。

このように、履歴書を提出する前に提出先の職務記述書と照らし合わせて、求められているスキル・経験を前面に押し出した内容になっているか確認することは大切です。スキル以外に、特定の業界経験が求められている場合、経験ありならそこをPRすることが重要ですし、業界経験がないというのが真実なのであれば、出られる勉強会はないか、本で勉強できないかなどを考えて、新しいことを学ぶ意欲がり得意であることをアピールしたいところです。

要は、同じ履歴書が全てのポジションに当てはまるわけはないということを、ご理解いただきたいのです。履歴書は同じでも、カバーレバーを変えればいいのではと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的にカバーレターより履歴書の方がよく読まれるので、履歴書の微調整は必須です。

カバーレターをつける場合は、何をそこに書くのかよく考えてください。情熱を伝えたいのであれば素晴らしいことですが、私の経験では「あってもなくても変わらない」内容のことが多くもったいないという印象です。そういう経験が多ので、面接官は「まぁカバーレターは後回しでいいからまずは経歴」と、履歴書を先に読みたがるのでしょう。

秋の転職活動が盛んな時期に突入しています。積極的に活動して、12月を迎え転職市場がスローダウンする前に、次の仕事が決まるよう祈っています。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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