グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

鈴木美加子のグローバル人材塾

外資に向いていますか?2022.04.05


元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。今回は、外資に向いている人の特徴をテーマにします。

英語ができるから外資へ転職というのは、少し安易な決断かもしれません。日本企業と外資系は企業風土が大きく違い、どちらが良い悪いはありませんが、皆さんに合うかどうかの違いは明確にあるからです。外資に向いている人の特徴を挙げます。

1. アサーティブで自己PRできる


英語圏は、自分の意見があることをよしとする文化で、自分の主張をロジカルに短く言い表わせることを高く評価します。自分を多少大きく見せる能力が必要です。もちろん、実力がなくては困りますが、100点を120点に見せられる事が重要です。謙譲の美徳という概念は存在しないので、「能ある鷹は立派な爪を見せる」必要があります。

キャリアカウンセリングにお越しになられた方に、「英語はできますか?」と尋ねた事がありました。その時の様子で、私は「できない」と判断したのですが、なんとTOEIC940点でした。その瞬間に、外資系を転職先の候補から外すことを提案しました。

外資に行きたい人は、面接で同じ質問をされたら「TOEIC940点です。ビジネスで困ることはほとんどありません」と答えられることが求められます。謙虚すぎる方は損をする企業文化なので、ご自分はどちらのタイプかを考えてみてください。

2. 想定外の事態に対応できる


外資は株主重視で短期志向の経営が多く、方針を変えるのが早いので、現地法人である日本法人では「想定外」が多発します。その時に、柔軟に構えて「まぁしょうがない」と即座に対処できるのか、「筋が通らない」とその度にストレスに感じるのかは大きな差を生みます。

例えば、米系IT企業に勤めていた時、第1四半期、イケイケの採用モードでした。第2四半期、突然、採用凍結になりました。その前までものすごい勢いで採用活動をしていたため、まだ面接のプロセス途中の候補者がたくさんいて、関わっているエージェントも何社もあり、会社の景気が悪いと見せないようにどうお断りするか四苦八苦でした。第3四半期、再び、採用して良いとなり、さすがにいい加減にして欲しいと思いましたが、会社員なので組織の方針に従って指揮を取るしかありませんでした。そんな状況でもベストを尽くせるタイプでしょうか?

この項目は柔軟性とも通じます。私は普段、自分をミッキーと名乗っています。職場で「鈴木さん」と呼ばれていなかったのが最大の理由ですが、お相手の柔軟性を測れることにも気がつきました。日本人が「ミッキー」と名乗っていて変なのと思ったとしても、柔軟な方は「相手が望んでいるのだから」とすぐ切り替えてくださいます。他方、おつきあいが長くなっても切り替えられない方もおられます。無理に切り替えていただくことはしませんが、一つの指標になります。

3. 自立型人材である


自分のキャリアを形成するのは自分の責任だということがわかっていないと、外資系で出世していくのは難しいかもしれません。新卒向けのオリエンテーションも、日本企業に比べると短いですし、その後の研修も自分から機会を狙うくらいの気概がないと待っていてもチャンスは訪れません。入社から会社が面倒を見てくれて、何年度研修というものがきちんとある日本企業と外資は違います。異動も自発的に自分が手を挙げるOpen Position Systemを利用して、自らキャリアを切り拓こうとする積極性が大事です。

4. 専門家である


外資は専門家を養成する組織です。何かの理由で組織を離れないといけなくなった時、いろいろなことが少しづつできるジェネラリストは、労働市場における価値が低いです。市場は、即戦力になる専門家を求めているからです。一つのエリアに特化して専門性を高めていくことが、さらに大きなチャンスを掴む土台になります。

 

まとめると、「自分をPRできる力がある」「想定外のことが起こっても柔軟に対処できる」「自分のキャリア形成の主導権を握れる」「専門家になろうと努力できる」人材は、外資系に向いています。4項目のうち3つ該当したら、外資への転職をお勧めします。2つ以下の場合は、強み・弱みをよく棚卸しして本当に外資へ転職することが正解か振り返ってください。外資で働いている人の話を聞くことも有効です。今なら、LinkedIn上で検索してDMを送ってお話を伺うことが可能なので、ご活用ください。

Twitter

Twitter


Twitterでも毎日発信しています。 ID: @Mikako_Suzuki  良かったらフォローしてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

合わせて読みたい

---