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鈴木美加子のグローバル人材塾

たかが英語されど英語 : 英語力はプレミアム2021.08.03


元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日のテーマは、日本の労働市場における英語力の重要さです。

先日、グローバルリーダー研修をさせていただきました。外国人と対等に仕事をするために必要な考え方・価値観の違い、異文化理解は私の最も得意とする分野で、楽しくデリバリーさせていただきました。

参加者のリストを事前にもらっていたので、各自のTOEICのスコアはわかっていました。日本語での演習、英語でのエクササイズ両方がふんだんに盛り込まれた研修を通し、改めて気がついたことがあります。 それは、日本語のエクササイズの時に優秀と感じる人を、英語の時にも優秀と感じるとは限らない事です。語学力の影響は大きいです。

日本語の時に将来有望と思った数人は、英語でのエクササイズになると、その実力を発揮することができず勿体なかったです。 上司が外国人だったり、同僚が英語人だったら「仕事ができる人」と評価される事は、残念ながらないでしょう。語学力に自信がないこともあり、英語の時には控えめにしていて発言をあまりしませんし、発言するときの英語が非常につたなく、ところどころ意味不明でした。非常にやる気があって、間違いなく将来有望なので、ここは何とか英語力を上げて欲しいところです。

参加者で、話す言語が日本語でも英語でも、発言力・知識・アサーティブネスに差がなかったのは、たったお一人でした。彼のTOEICのスコアは870点です。 明らかに日本語が母国語で、日本人的なアクセントはありますが、自分の主張したいことを英語で表現できていました。日常的に外国人と仕事をしているせいもあるのか、態度も堂々としています。 「謙虚の美徳」が通用しない英語圏と仕事をするにあたって、萎縮しないことは大事です。

私はTOEIC信奉者ではありませんし、TOEICのテストが高くても英語を話せない人がいる事はよくわかっています。ただ、おそらく不可逆で、英語がかなり話せるのにTOEICの点数が850を超えない人はいないはずです。なぜなら英語がそれなりに話せるということは、リスニングが満点近く取れるでしょうし、リーディングも簡単な問題なら正解率は7割を超えると思われるからです。


たかが英語、されど英語です。

外資では英語ができる人を仕事ができると思い込んで採用してしまい、入社してみたら実力がなくて採用ミスだったと言う事が起こり得ます。日本企業の海外法人でも、つい日本語がペラペラな人材を採用してしまい、仕事を始めてみたらスキル・経験値が足りなかったということはよく起こります。 コミュニケーション能力があるかどうか、自分の意見を言葉で表現できる語学力があるかどうかは、それほどに大きいと言うことです。

グローバル日本企業で英語を使って仕事をしたい、外資系に転職したい、外資系でキャリアアップしたい。そう考えていますか?

もし答えがYESなら、「専門性」を磨くのと同時にぜひ「英語力」を上げる努力をしてください。目指すはバランスが取れたTOEIC850点以上、話せることが肝心です。

英語力向上に影響する項目は5つあります。幾つ満たしていますか?

1. 英語が好きか
「好きこそものの上手なれ」通り、好きなことは続けられます。もし、英語が嫌いだけれど必要だから嫌々ながら勉強している場合、教材を自分の好きなことに切り替えないと途中で挫折します。サッカーが大好きなら、サッカー関連の雑誌・ポッドキャスト・海外のYouTubeなどを題材にすると、集中力も興味も増すでしょう。 韓国ドラマにハマった友人は、時間があると観ていたためか、たった2年で韓国語の初級者を卒業したようです。好きにはかなわないですね。

2. 継続力
語学の習得は階段を上がって行くのと同じなので、踊り場にいて努力と英語力が正比例しない期間もあり、継続力は必須になります。ここが私のように弱い場合(笑)、目的を明確にする、やり方を変えるなど工夫が必要です。私はとにかく継続力がないので、目的を思い出す作業を頻繁にしていました。私の目的は、a) 外国人といろんなことを話せるようになる b) 外資系に就職する だったので、放り出しそうになったらこの2つを思い出していました。継続力に自信がある方は、語学学習に向いていますので恵まれた資質をどうか活かしてください。

3. 記憶力
私が半年でも3ヶ月でも早く、英語学習を始めたほうが良いとお話する理由です。文法や単語を覚えないといけないので、記憶することはそれなりにあります。残念ながら年齢とともに衰える能力なので、少しでも早く英語学習をスタートしましょう。

4. 音感
英語は日本語のように平坦ではなく、イントネーションがあることに特徴があります。元同僚は、高校時代に2年交換留学でアメリカに住んだことがあります。この方の英語のアクセントが非常に日本式で驚きますが、理由はカラオケに同行した時に判明しました。メガトン級の音痴なのです。音がとれないことが発音にこんなに影響するのだと知りました。

5. 感性のアンテナの高さ
ある単語を使った時に、相手の反応から「少し強く言い過ぎたかな」と感じることができるかどうかです。これがないと、毎回同じ単語を使って自分だけは気づかず、相手に不快な思いをさせてしまうことを続けることになります。ビジネスで使える英語レベルに到達したい場合には、大事な資質です。

いかがでしょう? 5つ全てを持っている人は多分いないと思いますが、持っている資質が多い人ほど、英語力上達のスピードが速いです。つまりあまり持っていなかったら、じっくり構えればいいということです。

日本は、英語力がまだプレミアムになる世界でも珍しい国です。どうせなら、そのメリットを享受できますように。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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