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鈴木美加子のグローバル人材塾

英語での会議で存在感を示す方法2021.05.11


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、“英語での会議で気後れすることなく存在感を現すにはどうしたら良いか”です。

誰にも最初の一歩があり、私の初めてのNY出張は情けない限りでした。日本法人でアメリカ人の駐在員に囲まれて、毎日英語を使って仕事をしていましたが、ニューヨーカーの早口英語にやられ、これがぜんぜん聞き取れない。モルガン・スタンレーのウォールストリートにある本社は、それはお金の匂いがする高級なオフィスで、気後れもしていました。

会議で大きめの会議室に入った時の私は、自信がなく、できれば会議に出ないで帰りたいような気分でした。「とりあえず聞いてればいいや」と外資系勤務とは思えないようなマインドで、端っこの方に座り、指されて発言することにならないように、うつむき加減で1時間をなんとかやり過ごしました。うつむいていたのは、MCと目があって指されたら困るからだったように思います。

ミーティングには、以前、日本法人の人事本部長で本社に戻ったジムもいて、私の様子を観ていたのでしょう。あとで彼のオフィスに呼ばれました。大勢の前で声をかけず個人対応してくれるところが、日本の文化に5年間触れていただけのことがあります。「Micky, なんであんな隅の方に座ったんだ。しかもずっと下を向いていて、あれではやる気があるようにも自信があるようにも見えないよ。もっと真ん中に座って、堂々としていなければアメリカの企業ではやっていけない」と言ってくれました。

そう、この時の私には、100を120にも見せることが必要な、外資でのアサーティブネスがまるで欠けていました。

会議で存在感があるように見せることは、外資で昇進したいのであれば必須です。ただ座っていたのでは会議に参加していることにならず、全く発言しないことが3回くらい続くと呼ばれなくなることもある企業文化なのです。

これらを踏まえ、具体的に何をすれば良いのかを説明します。

1.  座る位置に気をつける
コロナで全ての会議がオンラインなのであれば、スクリーンでの映り方が重要です。ずっと下を向いていないようにしましょう。やる気がない人と思われてしまいます。スマホをPCの左右どちらかに置いてチェックするのもお勧めできません。観察力がある人がスクリーンの向こう側にいたら、視線でスマホを見ているとわかります。どうしても見たいのであれば、スクリーンに立てかけるくらいの位置であれば、カメラに映りませんし、自分の視線も不自然になりません。

コロナが終息してリアルに会議を行うようになったら、目立つところに座る勇気を持ちましょう。もちろん、役職からあまり真ん中ではおかしい場合は配慮が必要です。50人が集まるようなミーティングなら、前の方に座りたいです。最後列に座るようなことはしないでください。アメリカ本社に行くと、自分をアピールしたい出世したい組が、社長や役員の真前に座る様子を目にし、「やっぱりPR度が違う」と感じます。

2. 発言する勇気と英語力が足りない場合
「英語での会議は発言する必要がある」と言うのは簡単ですが、最初のころ実際に実行するのはドキドキして勇気が要ります。そんな時にどう切り抜けるかの小技を3つ挙げてみます。

a) 会議の冒頭で発言してしまう
誰かが意見を言う前に、自分の意見を言ってしまうのです。例えば、”Well, I doubt we can introduce Plan A without buy-ins from Sales Division.” (営業の同意なしに、A企画を導入するのは難しいと思います。) 意見に賛成の人も反対の人もいて、議論になったらあとは静観して自分は関わらないというやり方です。正確には英語力と勇気の関係で関われないなのかもしれませんが、ちゃんと発言はしたとカウントしてもらえます。

b) 良い意見を言っている人に乗っかる
誰かが自分と同じ意見を述べたら、”I agree.” と即座に同意してノルマの発言を二言でクリアするという小技です。みんなの前で英語をone sentence話すことに抵抗があるようだったら、この方法は心理的負担が低いので使いやすいです。

c) 気の利いた質問を考える
会議の最中に発言しなくても、最後のQ&Aのパートで「良い質問」ができれば十分ミーティングに貢献したと思ってもらえます。私は、アメリカ本社とのビデオ会議が始まった頃、ミーティングの間中、「何を質問するか?」をずっと考えていた時期があります。ネイティブの早口英語を聞くのに必死で、あの当時の私の英語力で発言するのは厳しかったからです。だんだん慣れるし、ネイティブのような英語を話すことは帰国子女でもない私に求められていないと、きちんと自覚して発言できるようになりました。

慣れるまで、ネイティブ相手の会議で気後れすることは多いですが、なんとか乗り切るテクニックはありますし、慣れると発言できるようになるので頑張ってください。応援しています。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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