グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

鈴木美加子のグローバル人材塾

グローバルビジネス、時差への配慮は必須2020.08.04


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、「グローバルな舞台で仕事をするなら『時差』に配慮しよう」です。

すでに外資系勤務の方、グローバルな日本企業にお勤めで海外拠点と仕事をしている方、現在海外に駐在されている方が、ストレスを感じやすい共通項の1つに「仕事相手が時差に配慮しないこと」があります。ヨーロッパ相手ですと、テレコン開始時間はこちらの17:00とかで楽なのですが、先方は朝が始まったばかりなので、終わってから「あの書類出して、これも出して」となりがちで、どこまでつきあうかしっかり決めないと、いつまでも帰れないことになります。アメリカ相手ですと、日本時間で22:00スタートのなんていうテレコンはざらにあり、英語を集中して聞き発言するのでアドレナリンが出まくって、眠気が吹っ飛んで寝られないと言う悩みを抱えることになります。時差は、なかなかやっかいです。

実例から見る良い例・悪い例


ご参考までに、外資系勤務時代の私の実例を挙げてみます。

まず悪い例ですが、私がGEの先輩達と、ある米系油圧機器メーカーのアジア・パシフィックの立ち上げをしていたときのことです。当時アメリカではダイバーシティ(多様性)が流行りで、ご多分にもれず本社でダイバーシティの会議をすることになりました。私はアジア代表として、本社で開催されたキックオフミーティング参加するため出張することになりました。

その時の本社はオハイオ州。その州の出身者でも知らないような小さな町で、スペースが限りなくあるので本社は平屋建てで2階すらなく、直近でNYのウォールストリートが本社の企業に勤めていた私は、卒倒しそうだったことを覚えています。アメリカの広さを思い知りました。

さて会議が始まり、リーダーが挨拶のスピーチをしました。「私は海外に行ったことがありません、あっ、思い出しました。ハワイには行ったことがあります」と言った時、私とヨーロッパ代表のドイツ人の目が合いました。
「ハワイってアメリカ合衆国だよね。この人がリーダーで、この会議大丈夫??」

…結論から言うと大丈夫ではありませんでした。彼女には「時差」の観念がありません。海外のさまざまな国からテレコンに参加するメンバーがいると言うのに、オハイオ州中心に、どうやら彼女の朝1番、もしくは帰宅前最後のスロットにテレコンを設営したらしく、アジアかヨーロッパが著しく犠牲にならなければいけない事態が続き、海外参加者からブーイングが出ました。外資の社員は、言わなければいけないことは黙っていないので、誰かがしかるべき発言をしたのでしょう。彼女は、5ヶ月でリーダーを降りることになりました。

お次は良い例です。以前勤めていたカリフォルニア州シリコンバレーに本社があるIT企業で、さすがカリフォルニア州に本社を構えるだけのことはあると思った経験をお話します。全世界からありとあらゆる人種がアメリカンドリームを胸に採用されている、本当に多様で素晴らしい職場でした。肌感覚でLGBTの社員も2割くらいいましたが、"So what?(だから何?)"と言う、多様性を最大に活かしている職場でした。

私のボスはグローバル人事の責任者で、本社の方針を北米・ヨーロッパ・アジア・アフリカに伝達する必要がありました。グローバルな環境で仕事をする経験が長い彼は、世界をタイムゾーンで2つに分け、誰もが常識的な時間にテレコンに参加できるようにしてくれました。つまり同じような内容のテレコンを、週に2回実施してくれたということです。海外法人からの参加者からすると、毎週1回必ずあるテレコンが、常識的な時間に始まり終わることは、健康上も精神衛生的にも非常に有り難かったです。

グローバル人材に必要な要素とは


グローバル人材とは、英語が話せるとかプレゼンが上手とか、必要なビジネススキルがあればなれるわけではありません。海外にいる、文化的背景・価値観・生活様式が違うメンバーの置かれている状況を思い描き、最低限の配慮ができるかどうかも重要な要素です。

ご参考までに、私が使っている時差計算ツールはこちらです。
3か所の時間を表示できるので、グローバル会議設定に便利です。


本日はグローバルビジネス上、避けて通れない「時差」のお話でした。

オンラインサロン『鈴木美加子のグローバル人材塾』

オンラインサロン『鈴木美加子のグローバル人材塾』


多様性を受け入れ、英語でロジカルに発表・主張できて外国人と協働できるグローバル人材の集いです。楽しく学びながら、コミュニティの中で継続的に成長することができます。
コンテンツの概要は以下の通りです。

  • ・週1の記事・動画配信
  • ・週1のライブ配信
  • ・キャリアのお悩み相談
  • ・外部ゲストの講演会
  • ・月1の懇親会
  • ・個別キャリア相談を割安で受けられる

 

初月は無料なので、お気軽に覗いてみてください。詳しくはこちら↓

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

合わせて読みたい

---