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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資では人間関係を理由に、安易に転職しない方が得策2019.01.15


元・外資系人事部長、10,000人を面接した鈴木美加子です。お正月気分も抜けたのか、個別キャリア相談が増えてきました。人間関係に悩まれている方が多いようです。

 

転職理由の上位に、「上司・経営者の仕事のやり方が気に入らない」「同僚・部下とうまくいかない」など「人間関係」が上がるのは、外資も日本企業もあまり変わりません。同じ人と同じオフィスで仕事をする環境であればなおさら、相性が良くない人と長時間仕事をすることが苦痛になることはあるでしょう。

 

ここで大事なのは、そのために転職を決意すべきかを、冷静に決断できるマインドです。人にはタイプがあり、好き嫌いもあり、常に非常に気が合う人とだけ仕事をするのは不可能です。相性が合わないことを理由に転職を繰り返していたら、それこそジョブホッパーになってしまいます。

 

安易に人間関係を理由に転職を決める前に、客観的に今の状況を見直しましょう。

 

私が無条件に転職を勧めるのは、セクハラ・パワハラなどが原因で、メンタルにバランスを崩され始めている場合のみです。メンタルな不安定さは、こじらせないことが一番で、初期なら治りも早いのですが、こじらせると再発したりご本人にとって辛い状況になってしまいます。早めに退散するのが一番だと思っています。

 

それでは、今すぐの転職を必ずしも進めないケースについて、見ていきましょう。

 

まずは一般論ですが、人間関係が長期的に固定でないことが外資の良いところだということを思い出してください。上司だって転職する可能性はあるわけで、その確率はどのくらいあるかを冷静に考えてみましょう。ご本人が結果を出されていて会社に高く評価されており、会社を気に入っている場合は、転職される確率は低いでしょう。結果を出せていて高く評価されていても、会社に不満がありそうな場合は、さらに高い年収でヘッドハントされないかなぁと実は思ってらっしゃるかもしれません。相手が動くのを待っていればいい場合もあります。これは上司だけではなく、同僚についても同じことが言えます。もしかしたら1年後には状況が変わり、自分が移らなくても良いかもしれないのです。

 

次に冷静に見直してみたけれど、やはり自分が転職するしかないと判断する場合、どうするかです。元・人事としては、できれば「人間関係」以外の転職理由を考えて欲しいです。人事にはいろいろな相談が持ち込まれるので、理解はしますが、相手が候補者の場合、ポジティブな転職理由かどうかを見極めるのは難しいです。

 

人間関係が悪い場合、どちらかが一方的に100%悪いことはほぼ無いというのが、人事の経験値だということを、心に留めていただけたらと思います。転職理由を話しているうちに、相手のことや、嫌なことを言われたりされたことを思い出して、ネガティブな話からだんだん悪口ばかりになることは結構あります。人間には感情があるので仕方ないのですが、面接の場面ではあまり望ましくありません。「感情的な人柄なのだろうか」「もめているのは、本当に上司/同僚だけが悪いのだろうか」など、あなたに対する評価に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

うまくいってない人間関係について話すときは、
a) 相手の良いところを探して、そこにまず触れる
b) くれぐれも感情的にならずに淡々と話す ことが大切です。
相手の良いところとは、「個人として非常に質の高い仕事をする」などです。「そのために、部下にも100点の精度を求めマイクロマネジメントなので、任せてほしいタイプの自分は息がつまる」などの本音は最初から言わないのがコツです。

 

Good Luck!!

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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