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元・外資系人事部長のグローバル人材塾

ホフステード異文化モデル – 長期志向 vs 短期志向2018.06.12


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、ホフステード異文化モデルの5番めの切り口であるLOT(Long-term Orientation)についてお話します。

 

LTOは比較的わかりやすい指標だと思います。長期志向の国は、未来を見据えた長いスパンで物事を捉え、目的を目指して粘り強く進むことができます。短期志向の国は、結果が早く出ることを求める傾向にあります。


外資系勤務の方の本社に多そうな国の数字を見てみましょう。アメリカ26, イギリス51, ドイツ83, フランス63などです。欧米と一括りにできないということがわかります。ドイツの数字が高いのは、ドイツ系企業に勤めたことがある身としては納得ですが、ここまで高いとは認識していませんでした。


アジアに目を向けると、香港61、インド51、 マレーシア41、 フィリピン27、 シンガポール72、 韓国100、台湾93、タイ32と、こちらもかなりバラバラです。

 

さて、日本の数字はいくつくらいだと思われますか? 日本のスコアは88で、かなり高い方に入ります。

 

外国人と働く上で、長期志向がどのような影響を与えるのか具体例を挙げてみます。先日、世人塾の5期生が赴任先のエジプトから一時帰国しました。異文化話を聞きながら、エジプトはLOTの数字がとっても低い気がしたのです。なぜかというと、プロジェクトを立ち上げる時に、納期を目指してスケジュールを立てるという発想がまるで無いと感じたからです。

 

日本人だけでプロジェクトを遂行するとします。例えば、完成予定が2020年2月であれば、まず各プロセスを書き出し、それぞれのプロセスの完成にどのくらいの時間が必要かを書き出し、足し算して2020年2月に間に合うかを必ず確認すると思います。間に合わないとわかれば、どのプロセスを短くできるかを綿密にチェックして、完成予定日を絶対に守れるスケジュールを立てるはずです。

 

所変わってエジプトでは、とりあえずの目先3か月くらいに何をやるか決めるそうで、その短期の目標も間に合わないことが多く、スケジュールを立て直したり、最悪そのまま頓挫するようなこともあるそうです。日本から派遣されているエンジニアは、皆さん長期志向で、ちゃんと計画してちゃんと遂行したい人達なので、それはそれはストレスを感じて日々仕事をしているとのことです。

 

LTOのスコアは、日本が88、エジプトは7です。この差は大きいです。郷に入っては郷に従えではないですが、エジプト現地にいる日本人としては、日本流を押しつけたくても相手に軽くかわされてしまいます。緩いスケジュール管理で甘んじ、かなり頻繁に進行具合をチェックするなど、日本で仕事をしている時とは異なるアプローチが必要とされます。

 

LTOのスコアが高い、つまりは長期志向の方がいいかというと必ずしもそうではありません。シリコンバレーに本社があるIT企業に勤めていたとき、彼らの変わり身の早さには本当に驚愕しました。インド、中国の人件費が高騰してきたと見るや、国民一人当たりの理系・博士号率が最も高いアルメニアに目をつけました。当時、人件費がインドの1/10だったアルメニアに現地法人を作り、インドのバンガローの人材を1/3にしたのです。必要であれば長期的プランを、ドラスティックに変更できること、変革を実行するスピード、残念ながら日本には真似できないと思いました。


長期的なプランニング能力があることは素晴らしいことですが、外国人と仕事をする場合は、相手の長期志向性がどのくらいなのかを確認した方が良いでしょう。相手に対する期待値をどのくらい下げるのか、どんなことに気をつけたら良いのか、衝突が起きる前に備えることができます。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル人材プロデューサー/(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガンスタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でも無いが、TOEIC960点をマークし外資系でキャリアアップした自身の経験から、「なぜ」を細かく説明出来るところを強みとする。世人塾の他、グローバル・コミュニケーション、異文化マネジメント、リーダーシップ、組織分析など企業研修を行っている。

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

英語でロジカルに発表・主張できるグローバル人材を一人でも増やし母国を元気にすることをミッションとし、世界で活躍する人材を育てる塾(世人塾)を中心に、法人・個人向けのグローバル人材育成事業を行う。

 

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