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元・外資系人事部長のグローバル人材塾

ホフステード異文化モデル – 不確実性回避2018.06.05


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。今日は、ホフステード異文化モデルの4つめの切り口であるUAI(Uncertainty Avoidance Index)不確実性回避についてお話します。

 

UAIは将来が不確実であること、予想できない状態を避けたいと思うかどうかを測る指数です。簡単に言うと「石橋を叩いて渡りたいか」どうかになります。


UAIのスコアが高い国は、不確実を回避して石橋をたくさん叩くので、「専門家を信頼する、フレームワークがあることを好む、安心できることが重要、ストレスが高い」という特徴を持ちます。


UAIのスコアが低い国は、とりあえずやってみようと石橋を叩かないで飛べるので、「専門度が高くなくてもOK, フレームワークや前例を必要としない、リスクを取る、ストレスが高い」という特徴を持ちます。


次にUAIが、職場でどのような影響をもたらすかを見てみましょう。例えばプロジェクトを始める時、UAIが高い国は不測の事態が起きることを避けようとするので、スケジュールをきちっと決めたり、リソースの配分に問題がないかなど、プランニングにかなりのエネルギーを費やします。結果として、プロジェクトは立ち上がるのに非常に時間がかかりますが、一回立ち上がってしまうと、ほぼすべてのことが決まっているので、目覚ましいスピードで進むことになります。踊り場が長く、そこからは直線で立ち上がるわけです。


UAIが低い国は、「とりあえずやってみよう」精神でプロジェクトに取りかかります。細部まで詰めないでスタートしているので、途中で微調整や再考が必要になり、プロジェクトは階段状に進んでいきます。


外資系勤務の方の親会社に多そうと思える国のUAIスコアを見てみましょう。アメリカ46, イギリス35, ドイツ65, フランス86などになります。アジアに目を移してみると、中国30、シンガポール8、韓国85、マレーシア36、インド40などになります。一概に欧米だからとかアジアだからと言えないですね。


肝心の日本のスコアですが、いくつぐらいだと思いますか?

日本のスコアは、92です。世界でもかなり高い方に入ります。


先ほど、UAIが高い国でプロジェクトを進める場合どうなるかをお話しましたが、まさに日本そのものという気がしませんか?  不確実を避けるため、緻密にプランニングする、想定外である「不良品」を排除することを目指して改善を続ける、高水準の安全を担保しようとする、前例のないことには手を出さないなど、UAIが高いことを表しています。


UAIが高い日本が海外と仕事をしなければならなくなると、問題が発生する可能性は高くなります。ある時、駅のプラットフォームで電車を待っていたら、怒った調子の英語が聞こえてきたことがありました。英語のアクセントからアメリカ人だろうなと思いながら、なんとなく聞いていたら、怒りの原因はまさしく日本サイドの高UAIと、それを英語でうまく説明してあげられない現地法人の日本人社員のようでした。


根回しをしたり、問題になりそうなことを一つ一つ丁寧に潰すのに時間がかかっている、前例の無い初めての商いなので非常に慎重になっていることを、誰からも説明してもらえず、アメリカ人のストレスが爆発しそうになっているという感じでした。「アメリカからわざわざ来ているのに、一向に進まないのはなんでなんだ!!」というわけです。付き添いの現地法人・日本人社員が、文化の違いを説明できたらだいぶ違っただろうと思います。


中国と日本がプロジェクトを行う時にも、価値観の違いで衝突することが多いですが、これもUAIの差から来ています。わかりやすい具体例を挙げると、3年くらい前に知人の中国人が起業することになりました。木工細工にデコレーションを施して売るビジネスを始めました。4回くらいレッスンに通っている様子がSNSにアップされ、5回めに自分がレッスンを主催するお知らせが上がったのには驚愕でした。日本人の感覚では、まだとても人に教えられる腕ではないからです。その後、彼女の商材は2年で3回変わり、現在は全く異なる商材で成功しています。まさしくUAI30だからできることです。まずはとりあえずやってみて、うまく行かなければ変えればいいという考え方です。


世界最後の巨大市場と言われるアフリカに、日本より遥か先に進出していることを見ても中国のUAIは低いです。日本の慎重さは素晴らしいところもありますが、グローバルビジネスにおいては、予測不可能なことも多々起きるので石橋を叩きすぎると、そもそもの機会が失われることもあることを覚えておいてください。何より、ビジネスをしている相手の国のUAI度を理解し、合わせる努力、もしくは日本流の良さを説明できる英語力と論理力を持ちたいものです。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル人材プロデューサー/(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガンスタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でも無いが、TOEIC960点をマークし外資系でキャリアアップした自身の経験から、「なぜ」を細かく説明出来るところを強みとする。世人塾の他、グローバル・コミュニケーション、異文化マネジメント、リーダーシップ、組織分析など企業研修を行っている。

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

英語でロジカルに発表・主張できるグローバル人材を一人でも増やし母国を元気にすることをミッションとし、世界で活躍する人材を育てる塾(世人塾)を中心に、法人・個人向けのグローバル人材育成事業を行う。

 

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