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鈴木美加子のグローバル人材塾

レディファーストとお歯黒2018.01.23


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、文化によって異なる習慣で、男性・女性それぞれに知っていて欲しいものを一つづつあげます。

 

まずレディファーストですが、どんな事柄が当てはまるか具体的に挙げられますか? 例えば、部屋に入る時出る時、扉を押さえてあげて先に女性が通れるようにする。エレベーター、エスカレーターに先に乗るのも降りるのも女性 などがわかりやすい例かと思います。

 

女性が強くなったと言われる時代、そんなことなんでする必要があるのかと思われる方もいらっしゃる方もしれませんが、“それが「習慣」だから” が答えです。日本人の100%は、お茶碗のご飯をお箸で食べるでしょう、スプーンで毎日食べているという方を、ご病気などの理由以外で見たことありますか? それと同じです。

 

日本は確かにレディファーストの国ではないので、外資系にお勤めでなければ普段はまぁ良いとして、北米(アメリカ・カナダ)、オセアニア(オーストラリア・NZ)そしてほとんどのヨーロッパから女性社員が出張で来られた時、これが出来ないとマナー違反になるので、意識しておく必要があります。主宰するグローバル人材の世人塾®ではレディファーストを実践してもらいます。最初はぎこちなかった参加者も、「これは慣れですね」と言うし、男性の卒業生にたまに会っても「実践してないとつい忘れるので、人の目は構わず職場でも実践しています」と答えてくれて、ちゃんとレディファーストできていてホッとします。

 

慣れだと実感するのは、外資が長かった大先輩方にお目にかかる時です。例えば、あるExecutive Recruiting Firmの社長、ご年齢は72歳くらいだと思いますが、先日お目にかからせていただいた時に、完璧なレディファーストをされていました。GE時代の大先輩で生涯のメンターにお目にかかった時は、彼(元上司に)車で送っていただき、最後わざわざ降りて私が乗っている側の扉まで来てくださいました。これもレディファーストの例で、大学院がアメリカだった彼にとって今でも当たり前のことなのです。4月に古希(70歳)を迎えられます。

 

男性の皆さん、日本企業にお勤めだと職場ではやりにくい場合は、奥様や恋人、友人相手に練習してください。練習しておかないと、頭ではわかっていても咄嗟には出ないです。

 

さて、次に女性。英語人から見て非常に幼く見える日本人女性の仕草を理解していますか?  それは、“笑う時に口を手で覆う” です。2011年メルボルンに住んでいた時に、日本人会の集まりに呼んで頂きました。その席で、隣に座っていらしたオーストラリア在住歴27年の日本人男性に、「あなた、さすがに20歳ってことはないですよね。その、笑うたびに口を手で隠すのやめた方がいいですよ。すっごく幼稚に見える。こっちの人でそんなことしてる女性はいないから、よく観察してごらんなさい」とアドバイスされました。びっくりして、それから周囲を観察していましたが、おっしゃるとおり誰もしていない仕草でした。一生懸命意識して、直しました。

 

2012年、日本に帰国した時、初めて笑いながら口を手で覆っている女性を見かけた時、「えっ、子供みたい」と感じました。なるほど、この感覚を言っているのだなと納得できました。

 

実は、あまりに不思議だったので調べたのです。女性が笑う時に手で口を隠すのは、「お歯黒」が由来です。昔、結婚した女性はお歯黒をしなければならず、誰もが従ってはいたけれど、美しい見た目ではないのでついつい隠すようになったというわけです。お歯黒の習慣がなくなっても、笑う時に口を隠す習慣だけが残ってしまったわけですね。アジア人にも時々見かけるのは、Look Eastの時代に日本人の真似をした人たちがいたからとされています。

 

この習慣も、自然と身についている方は直すのに努力が必要です。こちらも、世人塾®では、しつこく(笑)繰り返して言わないと直らない方が多いです。もし、自分もやっているかもしれないと思ったら、即刻やめるよう努力してください。日本語で染み付いたジェスチャーを、英語の時だけやらないようにするのは無理だからです。

 

文化が違うといろんなことが違ってきますが、スマートに「できる」社会人だと見せられますように。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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