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元・外資系人事部長のグローバル人材塾

外国人と異なる価値観 – アウトプットの精度2016.12.13


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。
以前、外国人と大きく感覚が違う価値観の例として、「時間感覚」についてお話ししましたが、今日は、アウトプットに対する期待値の違いを取り上げます。

 

みなさんは、「日本人は完璧主義、100点でないと気が済まない」という感覚はありますか? もし無い、もしくは弱いのであれば、今日の記事を参考にしてください。

 

昔、米系の油圧機械メーカーのアジアパシフィック本社に勤めていた時のことです。アメリカのオハイオ州にある工場からサンプルとして、部品が送られてきました。セールス部門と技術部門の社員が、「うーん」と唸っているのが聞こえたので、なになにどうしたのと覗きに行ったことがあります。目の前にある7個の同じはずの部品、素人の私が見ても一目で大きさが違うとわかります。精密部品ならともかく、こんな大きな部品をそれも手で作っているんではなく、機械生産なのにどうしてこんなことになるのか、日本人には理解できませんでした。

 

同じ会社に勤めていた時、インドに工場を立ち上げました。Six Sigmaという品質管理の手法のプロが採用されてインドに派遣されました。立ち上げ時の工場の内部は整然としていて見事でした。1ヶ月後、Six Sigma部隊がインドから送ってきた写真を見てアジアパシフィック本社は愕然とします。物が取り散らかって床がよく見えないし、いろんなものがぶっ積んであってごちゃごちゃしてることこの上ない感じです。たった1ヶ月で??

 

Six Sigma隊の隊長が吐いた一言は「ここからが根くらべだ」。インドと仕事をしたことがなかった私は意味がわからず聞いたところ、「あまりに直らないのでこちらの根が尽きて諦めるか、こちらが絶対に諦めないので向こうサイドの根が尽きて整然とした工場になるか、二つに一つだという意味だよ」だそうです。
それから、Six Sigma隊は、3週間に1回インドに出かけて、その度に整理整頓してもらってを8か月続けました。諦めなかった彼らが最終的には勝ち、インド工場に整理整頓は根づきました。

 

この会社の後に、米系製薬会社に勤務することになり、日本国内のそれはそれは整然とした工場を見学した時は卒倒しそうになりました。

 

オーストラリアに住んでいた時、ボランティアで折り鶴を折ったのですが、「どうも角が合わせにくいなぁ、この折り紙ほんとに正方形かしら」と計ってみました。なんと、30cm x 30cmとパッケージに書いてあるのに、実際には綺麗に30cm x 31cmなのです。折りにくいわけですが、さすがに呆れてしまいました。工場の製造機械からしてズレているということになりますものね。

 

日本に帰国して、ある企業様向けにテキストを作成した後、研修会社の方と目を皿のようにして誤字脱字を探した時は、そこまで完璧でないとダメなのかと驚いたというのが真実です。

 

お国変われば全てが変わるのです。日本の100点でないといけない減点主義で、海外と仕事をすると胃がいくつあっても足りないことになります。もしくは、どうしても完璧である必要がある場合は、相手に任せないで前出のSix Sigma隊のように、何度でもしつこくチェックに行くしか方法はありません。

 

多様性を受け入れることができてこそ、グローバルな舞台で仕事ができるグローバル人材です。ご自分が相手にどのくらいの精度を求めているのか意識すること、相手にとってその期待値はリーズナブルなのかどうかも考えてみることが大切です。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル人材プロデューサー/(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガンスタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でも無いが、TOEIC960点をマークし外資系でキャリアアップした自身の経験から、「なぜ」を細かく説明出来るところを強みとする。世人塾の他、グローバル・コミュニケーション、異文化マネジメント、リーダーシップ、組織分析など企業研修を行っている。

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

英語でロジカルに発表・主張できるグローバル人材を一人でも増やし母国を元気にすることをミッションとし、世界で活躍する人材を育てる塾(世人塾)を中心に、法人・個人向けのグローバル人材育成事業を行う。

 

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