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元・外資系人事部長のグローバル人材塾

異文化ネゴーシエーション : 恩を売りたい日本人 vs 売られたくないアメリカ人2015.10.27

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。

 

最近、アメリカ人と交渉ごとになりまして、異文化を強く意識したので、今日はそのお話しをします。

アメリカ人社長が運営する研修会社から、ある日本企業(A社)に入社する外国人の新入社員研修を受託しました。

長い間、企業人事にいた私にとって、新入社員研修は馴染みの深い研修で、相手が日本人でも外国人でもあまりかわりはありません。初めてやるわけではないからです。
ところが私が知らなかった事情がありまして、話が少しややこしくなりました。

昨年、A社で同じ研修をされた方の評判が良くなくて、交代要員だったことを私は知りませんでした。

A社で登壇する日程は決まりましたが、先方が、私に本番前に一度リハーサルでプレゼンをしてほしいとメールが社長あてにありました。私もCCに入っているのでわかります。私からすると、受けたのは10/2の半日研修だけ。

その対価をいただくことになっているのに、それと全く同じものをもう一度、事前にやってほしいと言われたら、フィーはどうなるの?が当然の疑問です。もともと小さな契約で、私の取り分も大したことないのに、どうするんだろうと思っていたところ、

アメリカ人社長から、「9月14日か16日、空いてる?」 とメールが来ました。

私はどうしようかと考えた末、
”This task is getting unreasonable for me. Can you visit CompanyA and give me feedback later?”  と答え、要は「私は行きません」とお返事しました。


彼からの返事は、
”I understand. This small contract is becoming unreasonable.” でした。

一件落着かと思いきや、CompanyAがよほど不安なのか「ミッキーさんは来ないの? 彼女のプレゼンテーション・スタイルを見ておきたいんだけど。去年のようなことを
繰り返したくないです。」 と再び、メール。 この時点で、私は去年何があったのかを察しました。

うーん、困りましたね。

私に仕事を委託したイギリス人社長は、追加の支払いをしたくないのが本音でしょう。でも、彼らにとって非常に大きなお客様が、前もってみておきたいとここまでおっしゃるのに、行きたくないで済むのでしょうか?

考えあぐねて、これは「恩を売っておくか」という結論に達しました。(ちなみに外資系出身の私には、お客様は神様なので、言われたことは何でもする という発想はありません。)

「あなたの会社にとって重要なお客様だとわかっているので、今回に限り追加の代金なしでA社で事前プレゼンをすることに合意します」とメールしたのです。

どんな結果になったと思いますか?

私とお客様の間でサンドイッチになったアメリカ人社長は、A社に「私のバックグラウンドをもう一度よく読んで欲しい、プレゼン力に問題あるわけがないです」と返事すると同時に、私にこのようなメールをくれました。

For CompanyA, I’m asking them to trust us and not do a trial run through. However, I offered the dates you suggested in case they don’t trust me :( I’ll let you know how they respond.

ほぉ、恩を売られたくないのですね(笑)
義理人情の世界に入ってこない(笑)
私はどこかで無意識に、「申し出てくれてありがとう」を期待していたと思います。
そうそう通じないんだった(笑)

半年ぶりくらいで感じた文化の差、交渉ごとでは大事になってきますね。

「恩義」という感覚が無いことは、アメリカ人以外でもほとんどのアングロサクソン人に当てはまります。

カナダ人、オーストラリア人、ニュージーランド人、イギリス人、かなり多くのヨーロッパ人相手の場合です。 アジア人は比べればウェットですが、あくまで比較の問題で、日本人のマインドセットのままでは通用しないので切り替えが必要です。

グローバルな交渉ごとは、相手がどこの国出身でどのような思考回路なのかを理解して臨むことが大切です。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル人材プロデューサー/(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガンスタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でも無いが、TOEIC960点をマークし外資系でキャリアアップした自身の経験から、「なぜ」を細かく説明出来るところを強みとする。世人塾の他、グローバル・コミュニケーション、異文化マネジメント、リーダーシップ、組織分析など企業研修を行っている。

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

英語でロジカルに発表・主張できるグローバル人材を一人でも増やし母国を元気にすることをミッションとし、世界で活躍する人材を育てる塾(世人塾)を中心に、法人・個人向けのグローバル人材育成事業を行う。

 

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