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鈴木美加子のグローバル人材塾

英文履歴書はご自分をアピールするためにあるのです2015.08.25

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。

 

暑い暑い8月も終盤を迎えてしまいました。エキスパットと呼ばれる外国人管理職が、日本を離れ労働市場が全く動かなくなる季節が終わろうとしています。9月を迎えたら、企業側も人材紹介会社も通常モードに戻りますので、転職を考えていらっしゃる方は、そろそろ夏休みムードから脱却しないといけません。

 

私は、世人(せじん)塾というグローバル人材塾を主宰しておりまして、英文ライティングの宿題に英文履歴書を書くというタスクがあります。

 

毎期、提出された英文履歴書の添削をするとき感じることを、今日は皆さんと共有したいと思います。

 

英語力は置いておきますと、足りないのは、「自分をアピールすること」です。一つのポジションに多くの方が応募する中で、自分を目立たせるには、自分がいかに優れているかを、嘘が無い範囲でPRすることが肝心なのですが、結構この点が弱い方が多いのです。

 

自分をアピールするためには、実績を数値化するのが早道です。もちろん数値化しにくい部署・職種が存在することは承知していますので、まずは数値化しやすい職種から具体例を挙げてみます。

 

セールス:数字以外に何をアピールするのだろうかという職種のはずですが、以外に数字に触れていない履歴書もあります。非常に優れたセールスだったのであれば、2013年  売り上げ目標  Y23,000,000、達成率123%,

2014年  売り上げ目標  Y26,000,000  達成率 117% のように書けたら最高です。表彰されたことがある方は、もちろんそれを書いてください。

 

実は達成率が今ひとつだったのであれが、クライアントの規模・数などで誤魔化すしかないので工夫が必要です。

 

マーケティング:セールスほどダイレクトではないですが、売り上げに貢献したことを書きやすい部署だと思います。プロジェクトの内容、サイズ、その企画で売り上げがどのくらい伸びたかを強調してください。イベント企画だったのであれが、来場者数など、売り上げだけでなく数字にできることはたくさんあります。売り上げにつながったことを数字にするのが難しければ、クライアントの数、業界の種類の幅などに逃げて表記し、いかにも経験があるように見せることが大切です。

 

IT : まずとにかく気をつけて頂きたいのは、細かすぎる履歴書にされないことです。使用できる言語は、最後の方に列挙してください。一番最初に履歴書を拝見する人事は、読んでもあなたの履歴書の中身がほとんどわからないことを忘れないでください。履歴書の冒頭から、細かい技術力を小さいフォントで列挙しても、「おたく」の印象を与えるだけなのです。エンジニアであれば、何を開発したのか、詳細にはいりこみすぎずないで(それは面接で聞かれるので大丈夫です)明記してください。ヘルプデスクの場合は、社員数、何台のPC、携帯、タブレットをサポートしたのかなどを数値化し、クライアントからどう評価されていたのかを添えるという手があります。

 

経理:数値化するのが非常に難しい部署です。毎月ルーチンの仕事をしていることが多いのは履歴書を拝見するサイドもわかっていますので、数値化にとらわれずにどんな仕事をしたのかを列挙します。まだジュニアな場合は、業務のレベルが下がりすぎたり経理から離れないように注意してください。その程度の仕事しかしていないのかと誤解されるからです。例えば、小さめの企業で購買不在、毎月会社の文房具を経理部スタッフの揃えていたとします。これは本来の経理の仕事ではないので、書いてもプラスには作用しないのです。外資は何でも屋さんではなく即戦力になる専門職を採用しようとしているので、経理に特化した内容になるようにしてください。

 

人事:数値化するのが困難です。導入したポリシー、制度、研修の名前を列挙することになります。ルーティンだけを回していたのでは、インパクトある履歴書にはならないので、次の転職も見据えて、ポリシー・制度を変えたり導入したりの経験が積める仕事になっているかどうか、常に自分自身でチェックしていることが大切です。それぞれの会社の社員数を書くことで、プロジェクトの規模感・複雑さを伝えることができます。逆に勤務先が小さい企業の場合は、人数は自分からは書かない方がいいでしょう。

 

全ての職種を網羅することはスペースの関係で出来ないので、今日はひとまずこの辺にさせていただきますが、重要なのは以下の2点です。

 

1. 自分の業務内容を可能な限り数値化し、あなたに一度も会ったことが無い人事の採用担当が、あなたの履歴書を読んだ時に、他の候補者より「仕事ができる」「実績を出している」と思わせられるように書く。

 

2.  自分の本来の業務外のことに焦点を当てない。

 

自分が書きたいことを履歴書にするのではなく、採用する側の立場に立ち、面接官は何を知りたいだろうとご自分に質問し続けながら、履歴書を作成するようにしてください。

 

Good Luck!

 

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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