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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資系で必要なスキル(5) - 質問力2014.07.01


    セミナーの仕事を始めて間もないころ、私を驚かせた日系企業からの参加者の方の反応は、「質問しないこと」です。最後に10分くらいQ&Aを設けていましたが、ほとんど誰も質問しません。驚いて、日本が長い外国人講師に相談しました。「日本人が人前で発言するの嫌いなの、忘れたのか? 何年、日本人やってるんだよ。Q&Aに10分は、日本人相手では長すぎる」と笑われました。


    これが外資なら、当然質問は出るのでそのくらいの時間は必要です。米国本社なら、さらに矢のように出てきます。

    小さな事のようですが、明らかな文化の差です。


    気が利いた質問ができるということは、相手の話を良く聴いていた、話題に関心を持った、頭がきちんと整理できているを意味するので、そもそも文化に関係なく重要なコミュニケーション・ツールです。


    特に外資にいて、自分の意見を自由に述べるだけの英語力がつくまでは、便利なコミュニケーション・ツールでもあります。


    例えば、英語での会議に参加している時。

    英語人の会議は、情報共有のためではなく、問題解決のためになされることが多く、何も発言しない人は、能力がない イコール 参加していても意味がない人ということになるので、気をつけないといけないのですが、

    英語での会話についていけてなかったり、自分に意見はあるけれど明確な英語にする自信がなかったり、そもそも、人前で英語を話すことに抵抗がある段階に自分がいる場合。

    意見が言えなくても、せめて質問ができれば、参加しているとカウントしてもらえるので、株は上がります。

    勿論、ここで重要なのは、その質問が的を射た良い質問であることで、質問さえすれば中味は何でもいいわけではありません。


    その他、日本人にとって、質問力がなんと言っても重宝するのは、英語でのテレコン(teleconference)の時です。

    相手の顔が見えないテレコンは、コミュニケーションが非常に難しく、かなり高度な英語力を必要とします。

    ネイティブの英語も聴き取れないかもしれませんが、アジア・パシフィックやグローバルでのテレコンになると、いろいろなアクセントの方が混じって、なおさら聴き取りにくくなります。

    「英語が良く聴き取れないし」と、流して参加していると、本社のMCから「日本チーム、静かなようだけど、いる?」などと、突然振られて、「あー、うー」になってしまいます。


    しっかり聞く努力はして、自分の意見まではまだ言えなくても、せめて最後に「質問はありますか?」と言われた時に、気が利いた質問を出せれば、十分テレコン力・中級まで来ていると思います。


    質問力を駆使して、英語での難しいコミュニケーションの場を乗り切りましょう。

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    この記事の筆者

    鈴木美加子
    グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

    日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
    個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

    株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

    強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

     

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