Global Career Guide

皆様、自分の強みを聞かれて何かを即答できますか?人間は不思議なもので、他者から見れば一目瞭然の強みに本人が気づいていなかったり、逆に得意ではないことに執着してしまったりすることがあります。
私は外資系の人事で25年間、多くの社員の方々を見てきました。独立してからの8年間で、延べ4000人の方にキャリア相談をしてきました。数多くのキャリアを拝見してきて、つくづく思うのは「強みを生かすのが、キャリアを花開かせる一番の早道だ」ということです。強みは持って生まれた資質なので、さらに磨く努力は必要でも、使うこと自体が苦痛ではなく、むしろ自然でエネルギーが湧いてくるのです。
一方で、弱みを改善しようと頑張ると、どうなるでしょうか。努力すること自体は悪いことではありませんが、もともと備わっていない資質を無理やり補おうとしても、成果は限定的です。もともとその資質を持って生まれている人には敵いません。
具体例を見ていきます。まずは強みを活かして働くAさん。

彼女はプロジェクトマネージャーとして、結果重視・遂行力が最大の武器。規律を重んじ、ルールに則った進行が得意です。細部に徹底的にこだわるタイプではありませんが、プロジェクトを進めるうえで必要十分なレベルを持っています。恐らく納期を落としたことが一度もない、優秀なプロジェクトマネジャーだろうと思います。
ただ彼女は内向的で、人と長時間関わり続けると疲れやすいと想像できるので、読書や映画鑑賞など、一人時間をうまく活用してマインドをリセットできれば、まさに天職といえるでしょう。
一方で、弱みを使って仕事をしているのがBさん。

品質管理を担当していますが、毎日会社に行くのがつらく、キャリアを変えた方がいいのではと悩んでいました。無理もありません。品質管理には前出のAさんのような資質が必要ですが、Bさんは真逆。直感で行動し、人間関係重視で共感力に優れ、創造性も発揮できるタイプなので、品質管理の仕事とは合わないのです。
相談を重ねる中で、彼が心理カウンセラーに強い興味を持っていることがわかりました。人に寄り添い、傾聴し、直感を生かしてその場に応じた対応ができるのは大きな強みです。適職といえます。ただし内向的なため、対面で次々とクライアント対応をするのは、負担になるかもしれません。そこで、まずはオンライン中心で活動している心理カウンセラーがいるかどうか、現状を調べることから始める事になりました。
現職が自分に合っていないと理解できた瞬間、Bさんの表情は見違えるほど明るくなりました。肩の荷が下りたようだったのが印象的です。
適職に悩んでいる方には、精度が高い適性診断を受けることを強くおすすめします。私のお客様からは「ルミナは嘘をつかない」とよく言われます。ご興味がある方はこちらをご覧ください。https://bit.ly/3bupKDg

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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。