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適性診断ルミナを使って、キャリアの方向性を考える(実例75)

日系ITベンチャーで企画職として活躍する37歳の土田さん(仮名)が本日の相談者です。仕事そのものは好きですが、「IT業界に向いていないのでは?」と感じることが多く、このまま続けるべきか、それとも転職すべきかで迷っています。

ここで活用したのが、個性診断ツールのルミナ・スパークです。ルミナは、個人の資質や行動特性を色と数値で可視化し、自分の強みや課題、適した環境を明確にするツールです。一般的な性格診断のように単純なタイプ分けで終わるのではなく、「どのような職場や役割なら能力を最大限に活かせるか」「何が自分の満足感を高めるのか」を具体的に示してくれる点が大きな特徴です。

診断の結果、坂井さんの強みは「創造性・変革・ビジョン」と、「協調性・共感・親しみやすさ」が同じくらい高いことが分かりました。新しいものを生み出す発想力と、人とつながる力の両方を持っているということです。IT業界は創造性や革新性を活かせる環境ですが、必ずしも「人間重視」の資質が満たされないことも多く、違和感が生まれたと考えられます。

一方で、細部へのこだわりを示すスコアは低めでした。経理精算などの細かい事務処理は不得意で、ご本人に聞いてみると、やはりうっかりミスが多いそうです。この結果からも、精緻さを求められる仕事より、人と関わりながら企画や発想で勝負する仕事の方が力を発揮しやすいことが分かります。

さらに分析すると、坂井さんは直感重視、結果重視、外交的、そして人間重視という行動傾向が際立っています。つまり、人との協働や社会貢献の実感を得られる分野でこそ強みを発揮できるタイプです。教育やSDGs関連など、人や社会に直接かかわる領域のほうが幸福感を得やすいと考えられます。

ただし、土田さんには「年収を下げたくない」という意向もあります。NPOやNGOなど社会貢献度の高い分野も魅力的ですが、収入面を考えると民間企業の中で人間重視の文化を持つ組織を探す方向が現実的です。

注意したいのは「教育業界イコール人間重視」というわけではなく、規模が大きく歴史のある教育関連企業であれば安定した文化が根づいていますが、ベンチャーの場合は経営者の価値観が企業文化を大きく左右します。人数が少ない分、経営者の意向が直接的に組織全体に影響を与えるため、面接の場で社長や経営陣の考え方をよく見極める必要があります。

土田さんが感じていた「なんとなく合わない」という違和感は、ルミナ・スパークの診断で裏づけられました。企画職という職種自体は適職であるため、スキルをそのまま活かしつつ、より人間重視の業界へ軸足を移すことで充実感を高められるようにすると将来の方向性が見えました。あとは業界を決めて転職活動を始めるのみです。

ルミナ・スパークは、自分の強みや弱みを知るだけでなく、「なぜ今の職場でモヤモヤするのか」「どのような環境ならもっと輝けるのか」の言語化を手助けをしてくれます。曖昧だった価値観や働き方の方向性が、色と数字で整理されることで進むべき道が明確になります。迷いや不安の正体がはっきりすれば、キャリアの軸を再構築する判断が格段にしやすくなります。

土田さんのケースが示すように、ルミナ・スパークは「何を選び、何を手放すか」を考える上での羅針盤です。今の仕事にしっくりこない感覚があるなら、自分の資質や価値観を可視化することで、新たな選択肢や方向性が見えてくるでしょう。

キャリアの方向性を考えるためにどんな職種・業界・職場が自分に合っているかを知りたかったら、こちらで詳細をご覧ください▶︎ https://bit.ly/3bupKDg

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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