Global Career Guide
本日の相談者・加藤さん(仮名)は、日本企業で営業をしている35歳の男性です。営業の仕事は楽しく成績はいつも良いのですが、この度、昇進で部下を持つことになり、マネジメント志向でない加藤さんは悩んでいます。自分に人の育成が向いているとは思えず、正直なところ、昇進を断れないだろうかと思っています。改めて適性を知りたいとのご相談です。
*この記事は本人のご了承の元に書かれています。
まず加藤さんの4つのカラーを見ます。
加藤さんの強みは、結果重視の赤です。自分の仕事が目に見える形で現れることを望みます。営業の売り上げ・マーケティングの集客数・プロジェクトマネジメントなどが向いています。
加藤さんの2番目の強みは、ビジョン重視の黄色ですが、50%を切っているのでこの軸をメインにしないほうが良いでしょう。
細かいことが得意な「青」はスコアがかなり低いので、細かさが求められる仕事には就かない方が良いです。現在、営業アシスタントが部に数人いて、商談が成立した後の詰めや法務部とのやり取りなどは任せられる体制だそうで、加藤さんには向いている職場体制です。
加藤さんの強みは結果重視と外交的です。赤を構成する資質は、主導力がある・メンタルにタフ・競争心が高い・論理的・目的意識が高い、なので、売り上げ目標という数字を追って達成する意欲が強い、営業に向いているタイプだと分かります。
部下を育成するために必要なのは緑の人間重視です。受容力・共感力・協力的などが構成要素です。加藤さんの緑は細くて長いので、平均的にスコアが高いというよりスコアが高い資質が1~2個あると推測できます。細かいデータを後ほど見ることにします。つまり、加藤さんが思い込んでいる「人の育成に向いていない」は該当しない可能性が高いです。
次に24のクオリティーを見ます。
営業に欠かせない結果重視の赤のうち、「競争心がある」のスコアがトップセールスにしては低いです。本人は、セールスとしてバリバリ一人で営業の道を極めていると考えていますが、実際は人を巻き込んでチームで仕事をした方が結果を残せるタイプのように見受けます。
人間重視の緑のうち、受容力・協力的のスコアがかなり高いので、忍耐力を持って経験が浅いメンバーを育成することができます。部下持ちになることで拓ける視野はありますし、一般論で言うと部下持ちの方が昇進しやすいので、今回の昇進を積極的に受けて人材としての価値を高めることになりました。
現在の加藤さんが気をつけたいのは、モチベーション・レベルの低下です。本来はメンタルにタフが84%なのですが、26%に下がっています。精神的に疲れていたりやる気が出ない時に起きる現象です。加藤さんに聞いてみたところ、現在の仕事について6年になり、これ以上は成長できないと思い始めていたとのこと。マネジャーになることで新しいスキル・経験値の取得が可能になり成長が期待できるので、まずは部下持ちになって2年くらい目の前の仕事に全力投球することになりました。転職はいつでもできるので、むやみに転職回数を増やさないことが肝心です。加藤さんがブレークスルーできることを願っています。
ルミナを使って適職を考えたい方はこちらをご覧ください。
Xでも毎日発信しています。 ID: @Mikako_Suzuki 良かったらフォローしてください。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。