Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは海外への転職です。
海外で働きたいと考える日本人が年々増えています。母国である日本で転職する場合と比べて、大きく違うことが1つあります。
それは、海外では外国人になるので、就労ビザをスポンサーしてくれる企業が必ず必要になることです。書くとたった一行ですが、実際にチャレンジするとなかなか大変です。海外転職を考えるにあたり確認したい項目を挙げてみます。
英語圏、例えばアメリカ、カナダ、イギリスなどで働きたい場合はハードルが高くなります。公用語が英語なので、英語がちょっとできる位ではダメで、英語がかなりできて、その上に高い専門性がないと、就労ビザをスポンサーしてもらうことは難しいです。
もちろんトップセールスで、現地の日本企業に日本語で売り込むような仕事であれば、ネイティブ同様の英語力は求められないことになるので、どのような仕事に就くのかは重要です。最初の一歩として日本語を活かして、とりあえず海外で就職するという手もあります。
最初から英語圏を狙うのではなく、英語が第二外国語の国からスタートするとハードルは下がります。アジア各国であれば、お互いに英語は第二外国語なのである程度できれば許容されるからです。
単純に日本での給与と比較するのではなく、その国において、どのくらいの生活を送れる給与パッケージなのかは確認したいです。昨今のシンガポールのように、家賃がとにかく高額で、日本と同じ給与水準では生活が成り立たない国もあります。知人は、ベトナムとフィリピンからオファーをもらいましたが、フィリピンの給与では投資に回す余剰資金が出ないとわかり、ベトナムを選びました。
求められる語学力、多くの場合は英語になりますが、どのくらいなのかは把握したいです。また、せっかく海外に転職しても、蓋を開けてみたらあまり英語を使わないこともあり得るので、事前によく確認したいです。海外で働ければどのような仕事でも良いのか、それともこだわりがあるのかは重要なポイントです。
海外への転職にあたっては、国内より書類選考が通らない可能性が出てきます。一喜一憂しないでやり抜く力があるかどうか、メンタルにタフか、が試されます。海外転職直後は、友人など頼れるセーフティーネットがない状態になります。精神的に強い事は必須なので、そこまでの意志の強さはあるか、現在の精神状態は安定しているか、自問自答してみましょう。
日本のように国民健康保険が整っている国は珍しいです。医療費が高額になることは多々あります。一応、どのような医療制度なのかは調べておいた方がよいです。私は10年前にオーストラリアで救急車に乗ったことがありますが、4万円も支払いましたし、歯医者さんでちょっとした治療に30万円払うことになり、日本に一時帰国することを真剣に検討した経験があります。
上記の項目を考えた確認して、海外転職したい国・職種を決めてください。
12月8日(金)の夜、秋葉原DXでDaijob.com主催のキャリアフェアがあります。今回のメインテーマの1つは、海外への転職です。海外でのポジションの情報が得られるので、海外への転職を考えている方は情報を集めるためにも参加をお勧めます。
私は今回、「海外転職に受かる英文履歴書」のセミナーをいたします。国内で転職する時より、自分をPRする必要があり「出来る」人間だと思ってもらわないと書類選考に受からないので、より詳しい注意点についてお話する予定です。
キャリアフェアについての詳しい情報はこちらをご覧ください。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。