Global Career Guide

キービジュアル キービジュアル

外資系企業の英語面接:チェックリスト

外資系企業の面接では、即戦力が重視され専門性を深掘りされます。単に英語力があるだけでは十分ではありません。ここでは、外資面接に臨む際に押さえておきたい10の重要チェックポイントを整理しました。実際の準備や直前の確認用にご活用ください。

1. ロジカルに話せる

結論を先に述べ、その後に理由や背景を補足する「結論ファースト」の話し方が基本です。英語と日本語は文章の組み立て方が全く異なるので、おのずとそれを反映した話し方になります。Yes/No をはっきり示した上で根拠を説明することで、論理的思考力を伝えられます。

2. 短く答える

詳細まで長く話すことは良しとされません。だらだらと話し続けると要点が伝わらず、マイナス評価になりがちです。質問の意図を理解し、必要な要素だけを盛り込んで端的に答える習慣を意識しましょう。面接官が応募したポジションに関連して、もっと知りたいと思えば必ず質問してくれるので安心して概要だけを伝えましょう。

3. 「なぜこの会社なのか」を明確に

志望動機は重要です。会社のミッションや・企業文化などを考慮して応募したのかがわかりますし、第一志望なのかもかなり多くの場合わかります。伝わってくる熱意が第一志望の場合は、とりあえず面接に行っているケースとは比べ物にならないからです。とりあえず受かりたいのであれば、HPくらいはきちんと読んで臨んだ方がいいです。

4. 成果は数字で語る

抽象的に「売上を伸ばした」と言うよりも「前年比120%を達成」「コスト10%削減」といった具体的な数値を用いることで、実績の信頼性が高まります。数字は世界共通の説得力を持ちます。業績を数値化することが難しいバックオフィス系の仕事は、具体的に話すことで同じ意味を持ちます。経理のERP導入プロジェクトに参加したのであれば、関係者の数、導入準備期間、予算など具体的に示すのです。

5. 英語力よりも伝達力

面接が英語になると緊張する方が多いのは理解できますが、面接官が重視するのは英語の流暢さではなく、シンプルでわかりやすく話せるかです。英語ネイティブでない候補者に、完璧な英語は求められないので安心して「完璧主義」を手放してください。多少つたなくても、自分の強みや考えを相手に理解してもらえることが最も大切です。

6. 過去の肩書きではなく役割と実績を語る

日本企業出身の方に、肩書きから入る職歴説明紹介を見受けます。肩書きは会社によってレベル感が異なりますし、見ただけではどのくらいの仕事ができるのか想像できません。「10人のチームを率い、業務プロセスを見直して生産性を14%改善した」など、自分が果たした役割と結果を明確に伝えることが評価につながります。

7. ネガティブ発言を避ける

面接で前職や上司の悪口は禁物です。特に人事相手の場合はそうです。人間関係がこじれる時、どちらか一方が100%悪いことは滅多にないので、「相手に聞いたら何て答えるだろう」と思われるだけで、自分にプラスがありません。また英語圏は常にポジティブを好む傾向があるので、失敗を好転させたストーリーは良いですが、ネガティブだけに終わる話はしないほうが良いです。

8. アイコンタクトやジェスチャー

外資の人間はどの言語を話していても、アイコンタクトを取ることに慣れているため視線を合わせないと「自信がない」と見なされることもあります。自然なアイコンタクトや表情を意識し、必要に応じて手振りを交えることで、伝達力と誠意がより強調されます。

9. 給与交渉の準備

外資面接では日本以上に給与条件を具体的に問われます。業界の市場相場や自分のスキルの価値を調べ、論理的に説明できるよう準備しておくことが大切です。

10. 自己PRは「組織貢献」の視点で

「自分が成長したい」ではなく「会社やチームにどう貢献できるか」を中心に語ることが必須です。採用側が知りたいのは、あなたがどんな価値を組織にもたらすかという点です。

まとめ

外資面接において重要なのは、英語の流暢さではなく「伝える力」「論理性」「組織貢献の姿勢」です。この10項目をチェックリストとして活用すれば、準備不足の部分が明確になり、面接で自信を持って話せるようになります。自分のキャリアをどう語るかを整理し、面接官に「一緒に働きたい」と思わせることがゴールです。

X(旧Twitter)

Xでも毎日発信しています。 ID: @Mikako_Suzuki 良かったらフォローしてください。

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

カテゴリー一覧