Global Career Guide

外資系企業で働くことになったら、避けられないのが「外国人が上司」になった時どうするかです。 「距離の取り方がわからない」「どこまで自己主張すべきかわからない」など、戸惑いも多いです。
誤解の多くは文化や価値観の違いから生まれているので、そこを理解すればスムーズにいきます。本日は、気をつけたい5つのポイントを挙げます。
1. 「察してくれる」は通じない
日本では相手の意図を“察する”ことが美徳とされ、私たちは無意識で空気を読んだり察しています。この概念は外資では通用しなくて、「言葉で伝える」力が求められます。
私は28歳で初めて上司がアメリカ人になった時、「君が言いたいことは何? もう少しはっきり言ってくれるかな。」と言われてしまいました。黙っていては「何も考えていない」と誤解されますし、小さなことでも自分の考えをはっきり口に出すことが信頼につながります。
2. 報連相のタイミングが違う
報連相と聞くと日本独特と思われがちですが、そんなことはありません。ただ、細かさやタイミングの違いはあります。上司が外国人になった時に、一番気をつけるべきは、物事がうまく行かないときの報告のタイミングです。外国人上司は、部下を助けるのが当たり前なので、炎上してリカバリーできなくなる前に、報告しないとかなり怒られます。駐在員が日本に赴任して最初のスピーチで”Give me a heads-up as early as possible.”(助けるから、失敗しそうな時はなるべく早く教えて)と、口にする人が多いです。
かと言って、細かく何でも報告して欲しいわけではありません。自立した人材であることが前提なので、マイクロマネジメントをするつもりはないのです。細かい指示をいちいち仰ぐ必要は全くないです。
3. 「No」を言うことは失礼ではない
日本では、相手を立てるために「No」を避ける傾向がありますが、外資では意見を持たない人は“主体性がない”と見なされます。反対意見を述べること自体はむしろ歓迎される文化。大事なのは、数字やデータなど客観的な根拠を持って、ロジカルに伝えることです。
私は最初の頃、どうもネガティブなことを伝えるのが下手で、”YesなのかNoなのか、どっちなんだ”と言われてしまいました。外国人同僚の真似をして少しづつ言えるようになりました。
4. 「上司に合わせる」より「成果で応える」
外国人上司は「関係性」よりも「成果」を重視します。
上司の顔色をうかがうよりも、どれだけ目標を達成できたかが評価の中心。
逆に、意見が違っても結果を出していれば信頼関係は自然に築かれます。まずは仕事ができる成果が出せる人であることが大事です。
なるべく早い段階で1:1 (1対1のミーティング)をリクエストして、自己紹介をしたらあとは成果を出すことに集中した方が得策です。
5. 上司の持つ人事権を理解する
外資では直属の上司一人が、人事権を握っています。昇進も降格も、上司に決定権があります。成果主義とは言いながら、働いているのは感情を持つ人間なので、「普通」以下の人間関係にならないようにしたいです。人間関係がうまくいかなくなったら、出ていくのは部下側になってしまいます。
英語力に自信が無い時は特に、「嘘をつかない」「上司がいる場で日本語で悪口を言わない」ように注意しましょう。これらは誤解を招く2大要因です。仕事の報告など自信が無い場合は、事前に英語で練習することを積み上げると、コツが掴めていつか練習しなくて良くなります。
まとめ
外国人上司との関係構築で大切なのは、「文化の違いを理解しようとする姿勢」です。
異なる価値観を受け入れ、成果で信頼を積み上げていくことで、上司からも対等なパートナーとして見てもらえるようになります。
多様性の中で仕事をする経験は時に衝突を生みストレスですが、グローバル人材としての価値を高めてくれる貴重な機会なので、違いを楽しみつつレベルアップできますように。

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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。