Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日は、キャリアの方向性を考えている方のご相談について、アセスメント・ツール「ルミナ」を使って解説します。
※この記事は本人の了承の下に書かれています。
本日の相談者は、日本企業でITサポート及び総務をしている27歳の女性、鮫島さん(仮名)です。大学卒業後、大学で事務をしたのちカナダでワーキング・ホリデーをしていました。仕事の内容は、日本の銀行でのITヘルプ・デスクでした。日本へ帰国してから転職活動をスタートするに前に適職を知りたいというご相談です。
まずは宮地さんの4つのクオリティを見てみましょう。
人間重視の「緑」が84%、細かいことが得意な「青」が48%です。緑のスコアが高いので、企業人事・医療関係・NPO&NGO・学校の先生などの職業についていても不思議はないです。実際には2番目にスコアが高い「青」を使って、最初の事務職も、カナダでのITヘルプデスクもしています。緑の分野にシフトした方が良いかどうかは、もう少し詳しいデータを見ながらお話を伺うことにします。
大きな絵が見たいビジョン重視の「黄色」、結果重視の「赤」のスコアは低いので職業選択の軸にしないことが肝心です。マーケティング・営業・営業企画・広報・起業などの仕事は除外されることになります。
鮫島さんの8つのアスペクトを見ると「内向性」が大きな特徴であることがわかり、前出の結果とも符合します。
このページでは文字が大きければ大きいほど、特性が強いことを表します。人当たりの柔らかい「人間重視」の方ですが、あまり積極的に人と関わりなくないとなると適職も変わってきます。不特定多数とのコミュニケーションが多い仕事に就くと疲弊するからです。チャットやせいぜい電話でサポートできる、現代のITヘルプデスクは鮫島さんの人の役に立ちたい気持ちを満足させつつ、裏方に回って人前に出ないというニーズを満たしてくれる仕事です。
本人にも積極的には人と関わりたい欲求はないとわかったので、ITツールを使って社員の役に立てる、ITヘルプデスクの仕事で次の就職先を探すことになりました。
ただこの先30年以上ヘルプ・デスクをするかどうかは、どこかで真剣に考えないといけません。専門性が非常に高い職業とは言えない部分もあり、ある程度の年齢になった時に若い人材と比較されるようになる可能性があるからです。SEになることにも興味があるとのことだったので、次の転職先が決まったらプログラミングの勉強を始めてその道で行けそうかを見ることになりました。
最後に鮫島さんの24のクオリティを見ます。
赤の「タフ」(メンタルにタフ)と「競争心がある」の日常の数値がだいぶ下がっていることが心配です。現在、海外でワーホリをしていてプレッシャーが低い環境にいるからかもしれませんが、精神的に疲れている、もしくはモチベーションが低い状態での就職活動は理想的ではありません。面接ではエネルギーがある印象の方が有利です。もう少し自分を立て直してから、就職活動に取り組んだ方がいいでしょう。
人間重視の「緑」のスコアがおしなべて高いです。業界を選ぶ時に「教育・医療・SDGs」など、「サポート、育成」がキーワードになる企業を選ぶと精神的な満足感が高いです。競争が激しい業界を避けると、鮫島さんは穏やかに仕事ができます。
データだけを見て適職を決めることは時に危険で、対話をしながら本人の「好み」を反映させながら決めていくことが大切になります。勤務先が扱う商品に共感できるか自社製品を好きと思えるかは、職場で辛いことや理不尽なことが起きた時にどのくらい許容できるかに影響します。他の人と比べないで、自分にとってのベストの職場・仕事を見つけられますように。
キャリアの方向性を考えるためにどんな職種・業界・職場が自分に合っているかを知りたかったら、こちらをご覧ください。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。