Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。アセスメント・ツール「ルミナ」を使って、キャリアの方向性を考えるコラムがスタートして、ちょうど丸5年になりました。「他の方のお役に立つなら」とコラムに登場することを快諾してくださった60名の方々、ありがとうございました。
※この記事は本人の了承の下に書かれています。
本日の相談者は、27歳の女性、伊東さん(仮名)です。大学を卒業してから大手IT企業で、プログラミング、業務システム更改、IT戦略の立案など一貫してIT関連の仕事をしてきました。TOEIC830点、5年後には海外で働いていたいという夢があります。異動先の人間関係があまり良くなく、できれば転職したいと思っている中、海外も見据えて適職を知りたいというご相談です。
まずは伊東さんの4つのクオリティを見てみましょう。
人間重視の「緑」が99%で、100人並んだら前から2番目に並んでいる非常に緑の資質が高い人材です。自分が前に出て目立ちたいのではなく、誰かをサポートして育てる側にいた方がより輝けます。緑の適職は、人事、NPO&NGO、先生、コーチングのコーチ、看護/介護などです。
伊東さんは、上記の職業にキャリア・チェンジしたい気持ちは無いそうで、緑を主軸にしないことになりました。
2番目にスコアが高いのは細かいことが得意な「青」63%です。新卒時代からITに携わってきたのは、「青」を活かした結果と言えます。
次に8つのアスペクトを見ます。
「内向的」・「ビジョン重視」・「人間重視」が大きく、伊東さんが職種変えを考えるにあたり大事な要素です。内向性を鑑みるに、人前でスポットライトを浴びてプレゼンが多いような仕事は向いていません。ビジョン重視なので、直属の上司が日々の業務の細かい所にばかり目を向けていたり、職場の人間関係が崩れたりすると働くモチベーションにも影響を与えがちです。
経験値が高いSEの仕事は外向きではないので、伊東さんに向いています。ただSEの集団が「ハーモニー」を重んじるあったかいチームであることは期待しにくいので、この先は、人間関係が成果を出すことに悪影響を及ぼさないよう留意することも必要でしょう。
次にマンダラです。
一見、細かいことが得意な青がほとんど無くSEのプロフィールと思いにくいですが、「規律重視」(ルール、プロセス、前例などを守るのが得意)のスコアが非常に高いので、この資質に支えられてSEが出来ていると言えます。
また、詳細なデータを見ると、「柔軟性」のスコアが100%です。100人並んだら一番前に立っている人材なので、必要な資質はストレッチして引き上げることが可能です。
SEは適職ですし、5年後に海外で仕事をしていたいという伊東さんの夢を叶える上でも良いキャリア・パスです。海外で働くと言うことは、就労ビザのスポンサーが必要になりスポンサーしてもらいやすい職種かどうかは大きいからです。IT関連人材は世界規模で不足しているので、英語ができるSEとして人材の価値をさらに上げて、海外に挑戦して欲しいです。
伊東さんは、これまでの経験と英語力を活かして、いづれ海外を目指すことになりました。
応援しています!
キャリアの方向性を考えるためにどんな職種・業界・職場が自分に合っているかを知りたかったら、こちらをご覧ください。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。