Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、キャリアの方向性を考えている方のご相談について、アセスメントツール・ルミナを使って解説します。
*この記事は本人の了承の下に書かれています。
今回の相談者・甲斐さん(仮称)は、33歳の女性です。大学卒業後、PRの代理店に2社、その後大手の一般消費財メーカーでPRプランナーをしています。職種を変えるつもりはありませんが、大手企業であまり充足感を感じられずに仕事をしています。転職にあたり、どのような企業を選んだらよいかがご相談内容です。
まず甲斐さんの4つの色を見ます。
彼女の強みは人間重視の緑です。80%のスコアは100人が並んだとき、彼女より高い緑のスコアを持つ人が20人しかいないことを意味しています。PRプランナーとして、代理店でPRプランナーとして、様々なクライアントと接するにあたり、人間関係を築くことが得意な資質を存分に活かしたと推測できます。
PRプランナーとしては、感性の黄色(ビジョン重視)のスコアが低いことが気になりますが、もっと詳しいデータを後ほど見ることにします。
甲斐さんのマンダラの特徴は、人間重視の緑と、結果重視の赤が両方ある事です。結果を出しながらも、職場の人間関係のハーモニーが崩れないことを気にかけることができる、どちらかに偏らないバランスがとれた人材です。
堅実(細かいことが得意)のスコアが著しく低いので、細かい事は苦手なはずです。甲斐さんに伺ってみたところ、誤字脱字をチェックし忘れたり、細かい事はとにかく苦手なので他の人に補ってもらっていると言うことです。
それでは24のクオリティに移ります。
甲斐さんは、柔軟性のスコアが100、つまりは100人並んだ時に最も柔軟性が高い人と言うことになります。その柔軟性を活かして、もともと持っていない資質でも、必要ならストレッチしてスコアを高くしたり、この職場では求められていないと判断したら、ある資質を見せないことができます。
一番顕著に現れているのが赤の「メンタルにタフ」です。本来は93%で自分よりメンタルにタフな人は7人しかいないほど、精神的に強い人ですが、日常の自分(職場での自分)は3%になってしまっていて、やる気を無くしていることが一目でわかります。これは転職するしかないでしょう。
PRプランナーに必要となる黄色の「想像力豊か」さらに「革新的」も一定のスコア以上ありますので、赤のスコアのとのバランスを考え、適職と判断できます。
それでは、転職先にどういう企業を選ぶべきかです。緑80%の甲斐さんは、緑のスコアがかなり高いので、業界が緑であることが重要です。緑の業界とは、人材・教育・ SDGsなどになります。自分が勤務している企業が、社会に貢献できるサービス・商品を扱っていることが、彼女にとっては大切なのです。
会社の規模ですが、現在大手企業に勤めていて89%もある革新性を使えないでいることがわかります。ご本人が漠然と感じているように、大手で保守的な企業では、自分の持ち味を生かせないということです。かといってスタートアップやベンチャーは、社長の器に左右され将来性を見極めるのも非常に難しいので、社員数200人以上位で、創業してから7〜 8年経っているような企業が理想と言う結論になりました。
自分が活かせる職種・職場を得てこそ、人は輝いて充足感に満ちた日々を送ることができます。どんな職種・業界・職場が自分に合っているかを知りたかったら、こちらをご覧ください。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。