Global Career Guide
来年、初訪日を計画しているロシアの友人、ナディアは、毎冬、極寒のウラジオストックからタイに1~2週間、避寒旅行に行っているのですが、それはタイに行くのが一番安いからだそうです。ロシアからの東南アジアへの格安旅行は、チャーター便でホテルもついたパック旅行が標準ですが、今年2月に、ナディアは初めて自分で飛行機やホテルを手配してタイで休暇を過ごしました。
ナディアとは、2年前にバリを旅行中に知り合ったのですが、その後ずっとWhatsApp * を通じて連絡を取り合っています。私は、各地を旅行中に知り合ったいろいろな国の人とWhatsAppで連絡先を交換するのですが、連絡を取り合うのは出会った後数か月くらい。2年以上経った今も連絡を取り合っているのはナディアだけです。ナディアとは、1月7日を出会った記念日として、毎年、お祝いのEカードや動画を送り合っています。
ベトナム(のニャチャン)では、多数のロシア人観光客や居住者に出会うのですが、英語を話す人が少ないため、なかなか仲良くなることができません。私にとって、ナディアは初めて仲良くなったロシア人で、彼女を通じてロシアの習慣などをいろいろ学びました。ロシアには祝日が多く、とくに極寒の極東地域は、冬には特別休暇がもらえること。ロシア正教(ユリウス暦)に従って、クリスマスは1月7日で、イースターは欧米の1週間遅れであること等々。
ナディアからは、四季折々のウラジオストックの写真や手料理の写真が送られてくるのですが、食い倒れの私はロシアの家庭料理に興味津々。私は旅先から風景や料理の写真を送るのですが、ウラジオストックでも日本料理が人気らしく、日本料理の写真が一番喜ばれます。
また、ロシアの庶民の間では日本の中古車をオークションで買うのが人気で、昨年、ナディアも軽自動車を購入。購入後、輸出入に必要な書類をそろえて、日本から車が到着するのを(うまく通関できるか)ドキドキしながら待っていました。到着した後、マニュアルなどがすべて日本語だったので、写真を送ってきて「何て書いてあるの?」と聞かれたり。自宅の冷蔵庫も古い日本製で「韓国製より性能がいい」とのこと。
ロシアでは高校や大学で日本を勉強した人も多く、「ロシアに親しみを感じない」という日本人が多い一方、日本はロシア人にとって身近な存在のようです。
ナディアにしてみれば、日ごろ英語を使う機会がないので、私とやりとりすることで英語を練習できるというメリットがあるようです。
昨年は、母親や兄弟家族とタイに行く前に「英会話を練習したい」と頼まれ、出発までの5日間、私が英文作成などの簡単な宿題を出して、毎日1時間ほどWhatsAppを通じて英語でおしゃべりしました。「タイ旅行中に皆に英語がうまい、と言われた。あなたのおかげ」と感謝されました。
私は、SNSが登場したころから、日本の英語学習者の方々に、SNSを通じて海外に友人を作って、日常的に英語を使うことを勧めてきましたが、他国のことを学ぶためにも、ぜひ海外にE友(e-friend)を! また、海外に行く前には、WhatsAppをスマホにインストールしておくことも、お勧めします。
* WhatsAppとは、5年前にフェイスブックが買収したLINEと同様の通信アプリ。LINEがメインで使われているのは、今では日本くらいか。LINEが人気だったタイでもユーザが減っている。数年前は、ベトナムでも使っている人がいたが、今は海外とのやりとりが多い人はWhatsApp、そうでない人はベトナム発のアプリを使っている。WhatsAppはアメリカ発だが、海外とのやりとりが多いアメリカ人(移民の間では標準)以外では知らない人もおり、FBメッセンジャーの方が主流。
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。