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アメリカの大学の認定に関して読者の方からコメントがあったので、アメリカの大学の認定制度について簡単に説明しておこうと思います。
日本とちがい、アメリカでは連邦政府(教育省)は教育機関の認定はしていません。大学の認定をするのは、教育省と高等教育認定協議会(Council for Higher. Education Accreditation)の認定を受けたRegional Accrediting Associationと呼ばれる地域ごとの民間の認定機関です。
下記の6機関に認定された高等教育機関は、”Regionally Accredited Institution”(地域認定大学)と呼ばれます。地域認定大学は、全米に3000校余りあり、その多くが非営利大学です。
・ Middle States Association of Colleges and Schools (東部管轄)
・ New England Association of Schools and Colleges (ニューイングランド間k夏)
・ North Central Association of Colleges and Schools(中央北部管轄)
・ Northwest Commission on Colleges and Universities(北西部管轄)
・ Southern Association of Colleges and Schools(南部管轄)
・ Western Association of Schools and Colleges(西部管轄)
伝統的な学位プログラムではないプログラムを提供する教育機関では、上記の地域認定は受けられないため、全米規模で教育機関を認定する全米認定(national accreditation)を受けることになります。全米認定では、職業訓練のための教育機関を認定する認定機関や遠隔教育機関を認定する認定機関などがあります。全米認定を受けた教育機関の大半が営利であり、職業訓練を目的としたものが主で、また学位を授与していない教育機関も多いのです。
営利大学の多くが、この全米認定を受けていますが、こうした認定機関の認定を受けていない大学もあります。
つまり、日本で、通常「大学」と考えられているのは、地域認定大学の方なのです。正直、全米認定の大学を正規の大学とは見なさない人や雇用主もいます。
両者の違いのひとつに、全米認定大学が地域認定大学の単位を認めるのに対し、地域認定大学では全米認定大学の単位を認めない場合が多い点があります。たとえば、コミュ二ティカレッジから四年生の州立大学に編入する学生は多いのですが、そうした場合、または四大から別の四大に編入する場合、営利大学で取得した単位は地域認定大学に移せないのです。つまり、営利大学で何年か勉強した後、州立大学や私立大学に転入しようとすれば、最初からやり直さないといけないということです。
また、地域認定大学の大学院に入学するには、地域認定大学を卒業していることが条件となっている場合も多いです。
アメリカの大学や大学院に留学する場合、上記認定の違いを理解しておく必要があるでしょう。
なお、上記以外に、大学全体ではなく、専門学部を認定する認定機関もあります。たとえば、医大(Medical School)であれば全米医療協会(AMA)、ロースクールであれば全米法曹協会(ABA)、看護学部であれば全米看護連盟(NLN)が認定します。これ以外にも、カイロプラクティック学校を認定する機関など、それぞれの分野で認定機関があります。
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。