Global Career Guide
前回、触れましたが、スポーツ以外で使われる日本語の「ハードワーク」は、「キツイ仕事、重労働」という意味で使われることが多いようです。英語でも、下記のように、そうした意味で使われることはあります。
Caregiving is hard work. (介護は重労働だ。キツイ仕事だ。)
Being a mother is hard work. (母親というのは、大変な仕事だ。)
しかし、それよりも、前回、説明したように「勤勉、努力」という意味で使われることの方が多いです。たとば、下記は、女子ワールドカップ中に、米選手が語った言葉です。
The American culture is very much about hard work.
(アメリカ文化というのは、努力を非常に重んじる。)
それを象徴するかのように、アメリカには”hard work”に関する名言が数々あります。
下記は、トーマス・エジソンが残した”hard work”を使った名言のひとつです。
There is no substitute for hard work.(勤勉に代わるものはない)
A lot of hard work is hidden behind nice things.
(素敵な物の裏には、多くの努力が隠れている。ラルフ・ローレン)
イギリスのサッチャー元首相も、下記のような言葉を残しています。
I do not know anyone who has got to the top without hard work.
(努力なしにトップに上り詰めた人など一人も知らない。)
英語のhard workは、他に、形容詞としてhardworking、人に対して名詞でhard workerという形でも使われます。下記の4つの文は、すべて同じ意味です。
She works hard. (彼女はよく働く。勤勉だ。)
She’s hardworking. (彼女はよく働く。勤勉だ。)
She’s a hardworking person. (彼女は勤勉な人だ。働き者だ。)
She’s a hard worker. (彼女は勤勉な人だ。働き者だ。)
30代の頃、アメリカから日本に向かう飛行機の中で、東京に着いて行わなければならないプレゼン資料を(必死で)作っていたら、飛行機を降りる際に、近くに座っていたアメリカ人男性に、下記のように言われたことがあります。
You’re such a hard worker! (よく働くね!働き者だね!)
和製英語の「ハードワーク」に惑わされず、work hard(動詞), hardworking(形容詞), hard worker(名詞)などいろいろな形で使いこなせるようにしましょう。
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。