Global Career Guide
近年、アメリカではアイスランドがブーム。全米の20以上の都市からアイスランドの首都、レイキャビック(Reykjavik)まで直行便が出ており、アイスランドのLCC、WOWエアも米10都市以上に飛んでいます。[i] 年に200万人以上の観光客が訪れる小さな島国の人口はわずか35万人。そんなアイスランドを、私も今月、2週間以上かけて周遊してきました。
私は、これまで60ヵ国を訪問し、数々の世界遺産を訪れ、またアメリカでも6州に住み、40数州訪れたことがあります。たいていの景色は見ています。
年を取るにつれ、新たな土地を訪れても「この景色なら、〇〇国の△△の方がきれい」「○○で体験した□□の方がよかった」「これはXXでもやったし」という感じで、新たな感動を得られることが少なくなります。同じものを見たり体験しても、若い時と比べ、感動の度合が減るのです。
今回、訪れたアイスランドも「アラスカと北欧を足したような感じ?」くらいに思っていたのですが… 実際に訪れてみると、感動の連続! まさに「心が洗われる」ような大自然の中、今まで見たことのない絶景が次々に広がるのです。島全体(The Ring+Westfijords)をレンタカーで回りましたが、あんなに写真撮影のために車を停めた国、地域はこれまでにないです。[ii]
アイスランドは、面積的に北海道より少し大きいくらいで、そこに日本全国にある以上の数の火山が存在します(112vs130、活火山は30)。火山群の中を観光しているといってもいいくらいの火山の国。ハイキングできる溶岩原、苔に覆われた溶岩原、地獄谷、峡谷、無数の滝など火山活動によって生まれた豊富な地形以外に、高原(highlands)や氷河、フィヨルドなど見どころいっぱいです。(木はほとんどないのに、紅葉も見られる。)[iii]
アメリカ育ちのアイスランド人に「ひとつの国に20ヵ国入ってるみたいでしょ」と言われたのですが、20ヵ国は言い過ぎとしても「10ヵ国分ほどの景色が満載の国」とは言えそうです。[iv]
アイスランドは歴史的にノルウェーやデンマークの影響を強く受けているので、食べ物も、味が薄い北欧料理っぽいものを想像していたのですが、予想に反して美味しい![v] 「北の国の食べ物は、概してマズい」という私の中の定説は、見事に崩れました…
中年になって「ここは若いうちに来ていたら、もっと感動していただろうな」と思うことが増えていたのですが、今回、「この年でも、新しいことに出あって感動することができる」という発見もできました。こうした感動は、”心の栄養”になると思います。
実際、60ヵ国訪問したといっても、全世界の3分の1にも足らず、まだ行っていない国の方が多いのです。私にも、まだまだ感動して心の栄養を補給するチャンスがありそうです。
海外旅行に限らず、若い皆さんには、世の中、もっともっと感動できることがあります。とくに生活や仕事がマンネリ化していると思った時には、新しいことを試してみては?
[i] レイキャビックの空港やGolden Circle(しか訪れない観光客が大半)では、「ここはアメリカ?」というくらいアメリカ人が溢れていた。
[ii] 観光客で溢れるGolden Circleだけを訪れても、他国にもある景色なので大した感動はない。アイスランドの良さは火山活動による地形の多様さなので、島全体を回らないとその良さはわからない。
[iii] 「日本は火山大国」という人がいるが(アイスランドに失礼)、火山の数ではアメリカ、ロシア、インドネシア、アイスランドに次いで世界5位。面積あたりではアイスランドが、ダントツ1位。
[iv] 日本も小さい国なのに、北海道の亜寒帯から沖縄の亜熱帯まで気候が多岐にわたり、地形も多様で感動的な景色は多い。
[v] とくに魚介、羊肉、パンがおいしい(羊の数は人口の倍以上)。デザートも甘み控えめでおいしい。アイスランドの後に寄ったフィンランドでは、とくにパンのマズさが際立った。アイスランド航空のラウンジの食べ物もおいしく、それに比べてフィンランド航空のラウンジの食べ物のマズいこと。でも、米航空会社のラウンジよりマシ。
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。