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ワーキングホリデー – 中欧

WBCの決勝は、日本では平日の午前中だったこともあり、視聴率はあまり伸びませんでしたが、アメリカでは、ゴールデンタイム(prime time)の放映で、平均520万人が視聴し、アメリカ国内でWBC史上最高の視聴人数となりました。(※1)


今回、WBCに初参加したチェコ共和国(Czech Republic)では、プロの野球リーグはなく、参加した選手は皆、本業と兼業するアマチュアとのことでした。しかし、中国を破り、各国のプロの野球選手と遜色のない戦いを見せました。チェコの選手は全員、大谷選手と対戦することを楽しみにしていたそうですが、大谷選手を三振に打ち取った電気工のピッチャーは、下記のようにアメリカでニュースとなりました。


The Czech starter, who is an electrician by day, struck out Ohtani.
(昼間は電気工として働いているチェコの先発投手が、大谷を三振に打ち取った。)

中欧(Central Europe)

さて、私は、チェコをはじめ中欧諸国を2019年秋に訪れた後、中欧でのワーキングホリデーについて書こうと思っていたのですが、2020年に入りコロナが勃発してしまい、書くことができませんでした。そこで、遅ればせながら、ここで簡単に触れておきたいと思います。


日本は、現在、27ヵ国とワーキングホリデー協定を交わしていますが、渡航先として日本人に人気があるのはオーストラリアやカナダ、ニュージーランドなどの英語圏です。協定国には、チェコ、スロバキア、ハンガリー、オーストリア、ポーランドの中欧5ヵ国も含まれているのですが、知らない人も多いです。


(オーストリアを除き)英語圏や西欧に比べて物価が安いのが、中欧のメリットと言えるでしょう。また、シェンゲン(Schengen)圏内であれば、出入国審査なしで国境を超えられるので移動が楽です。中欧諸国は、どこも内陸国で、複数の国と国境を接しており、隣国には電車やバスで行くことも可能です。


また、英語圏外でワーホリをするメリットとして、英語ネイティブを含め、他の外国人と比較的友達になりやすいという点を挙げる人もいます。英語圏の場合、友人になりやすいのは非英語ネイティブの外国人になりがちです(とくにネイティブレベルの英語が話せない場合)。非英語圏であれば、外国人には英語圏の人たちもいますので、お互い現地語の話せない外国人として共通点ができるわけです。


もちろん、中世の建築物が美しいチェコのプラハやハンガリーのブダペストなどは、観光地としても世界的に人気です。クラシック音楽に興味がある人であれば、教会などでも常時、演奏が行われていて、クラシック音楽が身近にあるチェコやオーストリアは魅力的かもしれません。


また、アルバイトをしながら、メインは語学などの勉強をするためにワーホリビザを取得するという人もいます。オーストリアであればドイツ語が学べますし、チェコの英語学校で英語を勉強したという人もいます。英語圏に比べ、授業料が安いというメリットがあります。


上記の中欧5ヵ国とも、ワーホリの応募条件は、年齢30歳までで、滞在期間は最長一年です。一ヵ国に一年滞在した後、別の国に一年滞在するという人もいるようです。


日本とワーホリ協定が結ばれたのは、5ヵ国のうち2015年のポーランドが一番古く、そのため、ポーランドに関するワーホリ体験情報は、ネット上にも結構あります。一方、ハンガリーは2017年、チェコは2018年なので、コロナ禍による3年のブランクもあり、ワーホリ体験情報は、あまりありません。


スロバキアは2016年なのですが、「スロバキアって、どこ?」という人も多く、他国に比べマイナーなので、渡航先としては人気がないかもしれませんね。(私は、スロバキアを旅行して気に入ったので、中欧でワーホリ先を選ぶように言われれば、迷わずスロバキアですが。)

現地での仕事

前にも書いたように、ワーホリの人が現地で就く仕事の多くは、日本食レストランの給仕や日本人観光客ガイドなどのアルバイト的な仕事です。


チェコであれば、日本企業も、結構、進出しているので、オフィスワークもあるかもしれませんが、中欧の国に共通しているのは、日本人が少ないため、日本語を生かせる仕事は少ないということです。そのため、現地語でなければ、少なくとも、ある程度、英語が話せることが必要でしょう。


最近では、日本から仕事を受注して、現地でフリーランスとして働く人もいるようです。この方法であれば、世界のどこにいても可能であり、日本の賃金で生活費の安い国に滞在するメリットが享受できます。現地で仕事をする場合、物価が安いということは、その分、賃金も安いということになりますので。


なお、中欧諸国に共通しているのは、ウクライナからの難民を大量に受け入れていることです。一番多いのが、150万人超を受け入れているポーランドで、チェコ(50万人)とスロバキア(11万人)がそれに続きます。ほとんどの難民が、すでに現地で就労しており、ウクライナ語と同じスラブ語の現地語にも馴染みのあるウクライナ人と日本人が同じ職を奪い合うということは、あまりないでしょう。(※2)


ワーホリに興味のある人は、今後のウクライナ情勢を鑑みながら、選択肢として中欧も検討してみてはどうでしょうか。

(※1) ワールドシリーズの視聴人数は1000万人以上、米最大のスポーツイベント、スーパーボール(Super Bowl)は1憶人超なので、それとは比較にならない。  ちなみに、知り合いのサッカー狂のイギリス人は、「WBCって何?」のレベルで、今回イギリスがWBCに参加したことも知らなければ、大谷選手のことも知らない。世界の大半では、WBCや野球の認知度は、このレベル。

(※2) 私は、デジタルノマドのネットコミュニティで、スロバキア在住のウクライナ人青年と知り合ったが、オンラインビジネスを行っているとのこと。彼女はロシア在住のロシア人で、彼女と一緒に東南アジアで、2~3年、ノマドをしたいそう。

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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