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リモートワークが普及した今、オンライン会議は、当たり前のものとなりました。アメリカでは、コロナ規制の解禁後、需要が急増したレジャー旅行とは違い、出張(business travel)の需要は伸び悩んでおり、コロナ前のレベルに回復するのは2005年と言われています。インフレの影響もあり、「オンラインでできるものを、わざわざ出張することはない」ということでしょう。
そうした中、日本にいながら、海外の取引先にプレゼンする機会が増えたという方もいるのではないでしょうか。
私自身が日米間の取引のお手伝いをしていて感じたのは、皆さん、ご自分の専門分野では専門家であり、日本語ではちゃんとプレゼンができるのに、英語では言いたいことをうまく伝えられないのでもどかしく思われているということでした。
そういう方のために、2011年に『プレゼンの英語 実践で役立つ表現1500』を出版したのですが、今回、これをアップデートし、厳選した1000のフレーズを集めた改訂版『新定番 プレゼンの英語フレーズ1000』が出版されました。
当時はCD付きでしたが、この辺もアップデートされ、出版社のアプリで利用できるので、通勤途中などでも、スマホでフレーズをネイティブの音声で聞くことができます。もちろん、電子書籍(Kindle)版もあります。
他の私の著書における読者の方々には、「英語ではこういう言い方をする」ことがわかる例文さえ豊富にあれば、それをご自分で組み立て、現場で使っていらっしゃるという方が多いようです。そこで、プレゼンの構成方法に重きが置かれた類似書とはちがい、今回の著書では、実際にアメリカのプレゼンでよく使われる表現を多岐にわたって紹介しています。
ここでは、数回にわたり、英語のプレゼンでよく使われるフレーズをいくつか紹介したいと思います。
日本では、プレゼンやスピーチを始める前に、下記のような挨拶をすることは稀ですが、アメリカでは一般的に行われます。聴衆に双方向的に呼びかけることで、講師(speaker)に注目してもらう効果があります。
How’s everyone doing this morning?
(皆さん、今朝の調子はどうですか?)
これは、アメリカでの日常のあいさつでは定番の、下記表現の主語を”everyone”にしたのもです。
How’re you doing today?
(今日は元気? どう?)
カジュアルな表現ですが、友人知人だけでなく、上司や(生徒から)大学教授に対しても使われますし、店舗や飲食店で顧客に対しても使われます(「いらっしゃいませ」のようなもの)。”How are you?”を使う人の方が少数派です。ビジネスの場でのプレゼンでも、聴衆に対して、こうした挨拶は普通に使われます。
下記も、聴衆に呼びかけるカジュアルな表現ですが、よく使われます。
Is everyone doing ok / great tonight? I’m doing great.
(皆さん、今夜は元気ですか? 私は元気です/調子、最高です。)
日本では、「お忙しいところ、お越しいただきありがとうございます」「お足元の悪い中、お越しいただき…」といった表現を使いますが、英語では、下記のように簡単に謝辞を述べるだけにしましょう。
Thank you for joining me today.
(本日はお越しいただき、ありがとうございます。)
Thanks for coming today.
(今日は、来てくださりありがとう。)
Thanks for being here this afternoon.
(今日の午後は、お越しいただきありがとう。)
I appreciate the opportunity to be here with you (to talk about the ABC program).
(皆さんに[ABCプログラムについて]お話しする機会をいただき感謝します。)
司会の人などに紹介された場合は、下記のように謝辞を述べることもできます。
Thank you very much for your warm introduction.
(ご丁寧にご紹介をいただき、どうもありがとうございます。)
さまざまな業界のプレゼンの場で使われる英語フレーズ1000を紹介。
新書サイズで、持ち運びに便利。
音声ファイル無料ダウンロード可。
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。